イーサリアム財務戦略発表後3000%急騰のビットマイン──だが、シャープリンクの急落には警戒が必要
  • ビットマイン・イマージョンの株価は3日に2倍を超える上昇となり、イーサリアムの取得を目的とした2億5000万ドル(約362億5000万円、1ドル145円換算)の資金調達を発表してから1週間足らずで3000%を超える急騰を記録。
  • 同社は、ますます人気が高まっているトレンドである暗号資産財務戦略へと転換する上場企業群の一角を占めている。
  • 別のイーサリアム・トレジャリー株であるシャープリンク・ゲーミングは、熱狂が冷めた後に急落したため、投資家は注意が必要だ。

ファンドストラット(Fundstrat)のトーマス・リー(Thomas Lee)氏が率いるイーサリアム(ETH)財務戦略企業、ビットマイン・イマージョン(Bitmine Immersion)は、暗号資産(仮想通貨)業界で注目を集める最新の暗号資産プロキシ銘柄だ。

同社の株価は3日に2倍超の140ドルを突破し、イーサリアム取得のために株式を売却して2億5000万ドル(約362億5000万円)を調達すると発表した後、1週間足らずで3000%を超える上昇となった。

1株4.50ドルで価格設定され、本日締め切られる予定の私募による募集には、ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)、パンテラ(Pantera)、ファルコンX(FalconX)、クラーケン(Kraken)、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、デジタル・カレンシー・グループ(DCG)などの機関投資家が参加した。

ビットマインは本質的に、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のストラテジー(Strategy)がレバレッジをかけたビットコイン(BTC)投資商品となったのと同様に、イーサリアムへのエクスポージャーを提供する上場プロキシとしての地位を確立している。投資家が上場株式を通じて暗号資産にアクセスする新たな方法を模索する中で、このアプローチは最近注目を集めている。

ビットマインはもともと、浸漬冷却技術を用いた暗号資産マイニングに注力しており、資金調達前に1600万ドル(約23億2000万円)相当のビットコインを保有していた。

シャープリンクのデジャブ

だが、同様の暗号資産トレジャリー株の急騰と急落は、教訓となるかもしれない。

ビットマインの急上昇は、コンセンシス(Consensys)の共同創業者であるジョゼフ・ルービン(Joseph Lubin)氏のリーダーシップの下、先月イーサリアム・トレジャリー企業として再出発した別の上場企業、シャープリンク・ゲーミング(Sharplink Gaming)の取引動向と類似している。

シャープリンクは、4億5000万ドル(約652億5000万円)の資金調達を発表した後、数日で4000%急騰。その後、同社がイーサリアムの取得を完了し、私募に参加した初期投資家が利益確定のために株式を売却したため、株価は最高値から90%以上急落した。

時価総額が現在の価格で8億ドル(約1160億円)を超えるビットマインの評価額は、同社の将来のイーサリアム収益に対する強気な想定をすでに織り込んでいる。

モメンタムを追いかける個人投資家は、慎重に行動する必要がある。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:SpaceX/Unsplash
|原文:Tom Lee’s Bitmine Surges 3,000% Since ETH Treasury Strategy, but Sharplink’s Plunge Warrants Caution