CME、24時間365日の暗号資産取引を検討中──ミームコイン関連商品は検討せず

- CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)グループは、実用的なユースケースが欠如していることを理由に、ミームコインに関連するデリバティブ商品のローンチを計画してはいない。
- CMEは、ソラナとXRPの先物商品に対し、機関投資家からの関心が高まっていることを確認しており、これらの商品は数十億ドルの取引高を生み出している。
- CMEは、暗号資産(仮想通貨)市場に合わせるために24時間365日取引への移行を検討しているが、正式な決定はまだ下されていない。
世界最大のデリバティブ取引所、CMEグループは、ミームコインから距離を置いている。一方、発行企業は続々と、投機的なトークンを主流の金融市場に導入しようとしている。
資産運用会社のヴァンエック(VanEck)や21シェアーズ(21Shares)が、ドージコイン(DOGE)やトランプコイン(TRUMP)などの暗号資産に連動した現物ETP(上場取引型金融商品)のローンチを推進する一方、CMEは異なるアプローチを採用している。
「我々は、実用的な用途を持つコインやトークンを基に商品をローンチしている。そのため、そのような用途が存在しないミームコイン分野での展開は予定していない」と、CMEの暗号資産製品グローバル責任者であるジオ・ヴィシオソ(Gio Vicioso)氏は述べた。
CMEは代わりに、同社がブロックチェーンインフラの基盤になると考えるトークンに焦点を当てている。CMEはここ数カ月で、既存のビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に加え、ソラナ(SOL)とエックス・アール・ピー(XRP)へと、暗号資産デリバティブ商品のラインナップを拡大した。
その賭けは成果を挙げているようだ。2月にローンチされたソラナ先物取引の取引高は50億ドル(約7400億円、1ドル=148円換算)に迫っており、1日の平均取引高は7500万ドル~1億ドルの間で推移している。
5月にデビューしたXRP先物取引は、7月11日に記録的な2億3500万ドルの取引高を記録し、現在までの累積取引高はほぼ20億ドルに達している。
これらの商品は、米東部時間日曜日午後6時から金曜日午後5時までのスケジュールで取引されており、毎日1時間のメンテナンス時間が設定されている。この仕組みは、一部の米国株式取引所が暗号資産に精通したトレーダーを惹きつけるために採用し始めている、スポット暗号資産市場の常時稼働型とは対照的である。
ナスダックやニューヨーク証券取引所などの主要な米国株式取引所は、暗号資産や他の流動性の高い資産クラスで活動する市場参加者により良いサービスを提供するために、すでに24時間365日取引に対応するためのインフラ整備を複数段階進めている。
CMEは正式な確約は行っていないが、状況を注視している。
「これは現在検討中の事項だが、現時点では具体的な計画はない」とヴィシオソ氏は述べ、次のように続けた。
「この分野の成熟が進み、我々の商品への関心が高まるにつれ、現在存在する金曜日夜から日曜日夜までのギャップを埋めることを検討することが重要だと考えている」。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Pamela Brick / Shutterstock.com
|原文:CME Exploring 24/7 Crypto Trading Expansion, Says Meme Coin Products Are Off the Table