- 暗号資産トレーダーは15億ドルを超える清算に直面し、小型トークンに最も大きな打撃を与える急落につながった。
- レバレッジポジションの清算が相次ぐ中、イーサリアムは9%下落して一時4075ドルに、ビットコインは3%近く下落して一時11万1998ドルまで下落した。
- マクロ経済の不確実性が続く中、24時間で40万7000人以上のトレーダーが清算に見舞われ、ここ数カ月で最大の損失を記録した。
暗号通貨(仮想通貨)トレーダーは9月22日に15億ドル(約2250億円、1ドル=150円換算)超の強気ポジションが清算され、小規模トークンに最も深刻な打撃を与える急落を引き起こした。
Coinglassのデータによれば、時価総額第2位のトークンであるイーサリアム(ETH)は、5億ドル(約750億円)近いレバレッジ・ロングポジションが清算されたことで一時9%急落し4075ドルを記録した。直近では24時間で6%下落している。最大規模のトークンであるビットコイン(BTC)は一時3%近く下落し11万1998ドルまで落ち込んだが、その後、小幅に回復した。
ドージコイン(DOGE)は10%超下落し主要トークンの中で最大の下落率を記録した。ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)、トロン(TRX)も過去24時間で少なくとも5%下落した。
Coinglassのデータによると、24時間で40万7000人以上のトレーダーが清算に見舞われた。今回の清算はここ数カ月で最も高い損失額だ。清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは通常、大きな損失をもたらし、変動の激しい相場では連鎖反応を引き起こす可能性がある。
トレーダーは清算のデータを用いて市場センチメントやポジションの状況を測る。大規模なロングの清算はしばしばパニックによる底打ちを示唆し、ショートの清算はスクイーズの前兆となる。
清算の急増は過度に偏った取引や反転の可能性を特定する助けにもなる。建玉残高や資金調達率(ファンディングレート)のデータと組み合わせることで、清算は特に過剰レバレッジのかかった市場において、戦略的なエントリーあるいはエグジットポイントを提供する。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が最近利下げを行ったにもかかわらず、マクロ経済は依然として不透明な状況が続いている。
CoinWのチーフストラテジーオフィサー、ナサール・アル・アッカー(Nassar Al Achkar)氏は、「市場の動向は、今後の経済データとFRBのシグナルに大きく左右される」と述べた。「このマクロ経済の不透明感により、ビットコインの優位性は維持され、イーサリアムやより広範なDeFi(分散型金融)セクターは、優れた利回り機会があるにもかかわらず、上昇は限定的となる可能性がある」と述べた。
投資家は今週後半に発表されるアメリカのPMI(購買担当者景気指数)データと失業保険申請件数を注視しており、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長による火曜日の講演がリスク選好の動向を左右するとアッカー氏は指摘する。ハト派的な発言は、大幅な下落後のアルトコインへの圧力を緩和する可能性があるが、慎重な姿勢を示す発言は、デリバティブ市場ですでに顕在化している防御的なポジションをさらに強化することになるだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Ether, Dogecoin Lead $1.5B Liquidation Wipeout as Bitcoin Slips Below $112K


