- 米国政府は10月1日深夜0時に政府閉鎖に突入する見込みであり、規制の取り組みが遅れ、暗号資産(仮想通貨)市場全体に波及効果をもたらす可能性がある。
- ビットコインは、最悪の水準からは終盤に反発したが、CoinDesk 20 Indexを構成するほとんどのトークンは下落を記録した。
- ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストらは、政府閉鎖は重要な経済データの公表を遅らせ、投資家の信頼を損ない、ビットコインを市場のショックに対して脆弱にする可能性があると警告した。
暗号資産市場の反発は9月30日、米国政府が東部時間の真夜中での政府閉鎖に向かう中、おおむね失速した。
ビットコイン(BTC)は一時、夜間に記録した高値11万5000ドル付近から約2%下落した後、午後の遅い時間に11万4300ドルまで回復し、24時間前からはわずかに上昇した。
イーサリアム(ETH)は4100ドルをわずかに上回って取引され、24時間では1.3%下落した。
広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexのほとんどのトークンは下落を記録し、アバランチ(AVAX)、ユニスワップ(UNI)、ニアプロトコル(NEAR)が下落を主導した。
伝統的な市場を見ると、金はさらに0.5%上昇して3850ドルとなり、記録的な上昇を継続した。一方、ナスダックとS&P500の株式指数も、取引終了の数分前に反発を見せ、プラス圏に移行した。
米国政府が期間の不確実な閉鎖に向かっているように見えるため、市場参加者のほとんどは様子見の姿勢である。
政府機関が閉鎖されると、行政府下のすべての不要不急の活動が停止し、これには、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)、および連邦銀行規制当局による、暗号資産業界向けの新しい規則を作成するための進行中の取り組みが含まれる可能性が高い。
閉鎖となっても、一般の人々は開かれた規則制定の取り組みに対してコメントを提出し続けることができるが、これらの機関の誰もフィードバックを読む任務を課されない可能性が高い。
この閉鎖は、ソラナ(SOL)やライトコイン(LTC)などの暗号資産に連動するETF(上場投資信託)を上場および取引するための企業の取り組みにも影響を与える可能性がある。
暗号資産市場構造法案に関する議会の作業も遅れるだろう。上院銀行委員会は、市場構造草案に関する(法案の規定を議論するための)マークアップ(逐条審査)を、9月30日の予定から10月後半に延期した。
上院農業委員会は、法案の草案をまだ公表していない。しかし、上院財政委員会は、1日に暗号資産の税務問題を検討するための公聴会を開催する意向だ。
閉鎖はBTCを脆弱にすると、ビットフィネックスが警告
暗号資産取引所ビットフィネックスのアナリストらはレポートで、閉鎖は雇用統計やCPIインフレ報告などの重要な経済指標の公表を停止させ、暗号資産を含むあらゆる資産クラスでボラティリティを増幅させる可能性があると警告した。
レポートは、データの遅延が連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の決定を複雑にし、その波及効果が金利市場全体に響き渡る可能性があると指摘した。世界中の投資家はすでに米国へのエクスポージャーを削減しており、長期化する閉鎖はこの傾向を加速させる可能性があるとレポートは述べた。
ビットフィネックスのアナリストらは、潜在的な閉鎖について、「市場にとっての当面のリスクは、システミックな金融不安ではなく、信頼の低下とデータの盲点である」と述べた。
ビットコインは9月のFRBによる利下げ以来、調整局面にあるが、利下げは「噂で買ってニュースで売るイベント」であったことが判明したと、ビットフィネックスのアナリストらは指摘した。
レポートは、以前のサイクルとは異なり、今回のサイクルは3つの明確な数カ月にわたる高騰で展開し、それぞれが広範な利益確定売りによって頭打ちになったと指摘した。

アナリストらは、「サイクルのすべてのピークで、移動したコインの90パーセント以上が利益確定目的で取引されており、広範な分散の明確なシグナルとなっている」と述べた。
ビットコインはちょうどその3回目のピークから後退したばかりであり、さらなる保ち合いに向かう可能性が高まっていると、ビットフィネックスのアナリストらは見ている。
「深い政治的分極化、財政赤字の増加、そして脆弱な世界経済は、市場をショックに対してより敏感にする」と、アナリストらは付け加えた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:9月30日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Steady, but Bitfinex Warns of Downside Risks as U.S. Government Shutdown Looms


