- 中国によるアメリカ企業に対する貿易措置が世界的なリスクオフのセンチメントを加速させ、ビットコインは11万2000ドルを下回った。
- アジア株は下落し、日本の日経平均株価は約2カ月ぶりの安値を記録し、アメリカとヨーロッパの株式先物も下落した。
- 暗号資産市場は大幅な損失に見舞われ、ビットコインは3%下落して清算総額が6億3000万ドルに達し、世界的なマクロ経済リスクに対する暗号資産市場の敏感さが浮き彫りになった。
中国の報復的な貿易措置を受け、世界市場にリスクオフの新たな波が押し寄せたため、ビットコイン(BTC)は10月14日のアジア取引時間に11万2000ドルを下回った。
ブルームバーグは14日、中国が韓国の造船会社ハンファ・オーシャン(Hanwha Ocean)のアメリカ法人に制裁を発動したと報じた。これは、米中両国が自制を示唆したわずか数日後に、アメリカとの貿易摩擦が悪化する懸念を再燃させるものだ。
アジアの株式市場は下落し、アメリカとヨーロッパの株式先物もそれに追随した。暗号資産(仮想通貨)トレーダーは週末の一時的な上昇後、再びリスク回避を迫られた。
S&P500関連の先物は0.7%、ナスダック100の先物は1%下落した。日経平均株価は3%以上下落し、約2カ月ぶりの大幅な下落となった。
円は下落から反転し、対ドルで上昇した。ゴールド(金)とシルバー(銀)は午後の売りで前日の上昇分を帳消しにし、投資家の安全資産への移行を受けて10年物米国債利回りは4.03%近くまで低下した。
暗号資産は再びリスク資産を追随した。ビットコインは3%下落して11万1869ドル、イーサリアム(ETH)は4%下落して4000ドル付近となり、先週アウトパフォームしたバイナンスコイン(BNB)は10%以上下落した。エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)はいずれも過去24時間で5%から6%下落した。
CoinGlassによると、清算総額は6億3000万ドル(約945億円、1ドル=150円換算)に達し、その3分の2はロングポジションによるものだった。
今回の調整は先週、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が中国製品への100%関税を予告したことで始まったボラティリティの高い時期をさらに延長するものだ。この衝撃的な動きは、暗号資産に史上最大の清算イベントを引き起こした。
ハイパーリキッド(Hyperliquid)のデータによると、週末に一時的な反発が見られるまで、デリバティブ市場全体で24時間で約200億ドル(約3兆円)のポジションが解消された。
今回の下落は、暗号資産が依然として世界的なマクロリスクといかに密接に結びついているかを示し続けており、12日に見られた反発はほぼ完全に反転した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Slips Under $112K, ETH, DOGE Drop 6% as China Hits Back on U.S. Tariffs


