- ビットコインは、流動性の低さとMSCIの算出方法変更の可能性への懸念から、一時8万3000ドルを下回った。
- 市場がストレスに対処できず、注文板が薄かったことが、価格下落の一因となった。
- MSCIが暗号資産を大量に保有する企業を指数から除外するという決定は、強制的な売却と資金移動につながる可能性がある。
ビットコイン(BTC)は12月1日終盤、流動性の低さ、日本発の週末のマクロ経済不安、MSCIの算出方法変更への懸念の高まりが重なり、急速かつ無秩序な下落によって一時8万3000ドルを下回った。
アジア時間の12月2日午前には、ビットコイン価格は8万5000ドルを超えて推移し、エックス・アール・ピー(XRP)、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、ビルドアンドビルド(BNB)は最大2%の下落を示した。
市場関係者は、この下落は通常のマクロ経済要因とはほとんど関係がなく、むしろ現在の環境において市場がわずかなストレスさえも吸収できないことに起因すると述べた。
「ビットコインが9万ドルを下回ったのは、週末に見られた脆弱な市場構造と流動性の低迷が衝突した結果だ」と暗号資産(仮想通貨)取引所VALRのCEO、ファルザム・エサニ(Farzam Ehsani)氏は述べた。
「注文板が薄く、市場が新たなマクロの流動性ショックに耐えられるだけの厚みを欠いていたため、市場全体の圧力が強まった」とエサニ氏は付け加えた。
MSCIの決定による影響
一部のトレーダーは、別の構造的な問題にますます注目している。それは、暗号資産に大きく集中したバランスシートを持つ企業をMSCIのグローバル指数から除外するかどうかという、MSCIの決定だ。
この提案は、ストラテジー(Strategy)、マラソン(Marathon)、ライオット(Riot)、メタプラネット(Metaplanet)、アメリカン・ビットコイン(American Bitcoin)など、総額1370億ドル(約21兆3720億円)超のデジタル資産を保有する企業群に影響を与える。この額は、存在するビットコイン全体の約5%に相当する。
エサニ氏は、これらの企業のいずれかが再分類された場合に、インデックスファンドからの強制的な資金移動が起こる可能性を市場がすでに織り込もうとしていると指摘した。
「いかなる規則変更も、自動的に保有資産の見直しを引き起こし、これらの企業の株式の強制的な売却と大規模な資金移動につながる可能性がある」とエサニ氏は述べた。投資家は現在、「強制的な資金移動に伴う短期的な不均衡」に備えていると同氏は付け加えた。
12月の不調なスタートによって、11月のビットコインの低迷が決定づけられた。11月には17.5%下落し、過去3年間で最大の月間下落率を記録した。
6万4000ドルへの下落リスク
約8万500ドルを下回り続ければ、一部のトレーダーが注目するテクニカル目標である6万4000ドルに向けて、さらなる深い下落への扉が開かれる可能性がある。
「市場が下落を続ければ、ビットコインは6万~6万5000ドルのレンジを試す可能性がある。この水準では、ストラテジーの潜在的な競合相手を含む主要な機関投資家が、ビットコインの大量購入に関心を示す可能性がある」とエサニ氏は付け加えた。
ビットコイン以外では、米国上場の暗号資産ETF(上場投資信託)への選択的な資金流入が続いた。ソラナ現物ETFは5週連続で純流入を記録し、10月下旬以降6億ドル(約936億円)超を追加した。XRP現物ETFへの累積流入額も、6億6600万ドル(約1029億6000万円)を超えた。
CryptoQuantとGlassnodeのオンチェーンデータは、レバレッジがシステムから減少し、構造的なリスクは緩和されているが、現在のマクロ経済および指数関連の不確実性を相殺するには不十分であることを示している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Bitcoin May Dump to $65K or Below, Spelling Trouble for ETH, XRP, ADA and Other Majors


