裁判をトークン化、DAOプラットフォームAragonが陪審員を募集

アラゴン(Aragon)は、分散型裁判所システムのローンチの準備を進める中、人間の陪審員の採用プロセスを開始した。


陪審員になってトークン報酬を受け取る

協定世界時1月7日16時から、コミュニティメンバーはアラゴンのANTトークンを新しく作られたアラゴン・ネットワーク・ジュラー(Aragon Network Juror:ANJ)トークンと交換できるようになった。ANJトークンは、紛争解決プラットフォームでのステーキングに利用される。2月10日のアラゴン・コート(Aragon Court)のローンチまでに、陪審員の最初の一団が選ばれる。

アラゴンは、数千ユーザー向けの多面的な構造から、1〜2名向けのシンプルな構造まで、自律分散型組織(DAO)を構築するために必要なフレームワークとツールを提供する。公式ウェブサイトによると、その裁判所システムは「人間の陪審員による判断を必要とする主観的な紛争」を取り扱う。

陪審員になるには、ステーキングされ有効化されたANJトークンを最低1万以上保有することが必要。各裁判は無作為に選ばれた3人の陪審員が担当する。選ばれる確率はANJトークンの保有数に応じて高くなる。陪審員は紛争に関して評議を行って判決を下し、トークン報酬を受け取る。

アラゴン・コートの陪審員は独立して判断を行い、それを他の陪審員や裁判関係者に伝える。

3人の陪審員の中で、他の2人の陪審員と対立した判断を行った陪審員はステーキングしたANJトークンを失い、トークンは2人の陪審員に再分配される。これは陪審員が正しい判断を行うよう動機づけし、陪審員の判断が何らかの方法によって左右される可能性を最小限にすることが狙い。

2月10日にローンチ予定

アラゴン・コートが2月10日にローンチされた後は、ANTとANJの交換比率は固定ではなくなる。有効化されたANJトークン数に応じて、ダイナミックに変動することになる。有効化されるANJトークン数が少なければ、交換比率も低くなる。

ANTの価格は、1月7日の預け入れの開始に先立って高騰した。コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)によると、ANTは記事執筆時点で0.47ドル(約51円)をやや下回る価格で取引されている。つまり、陪審員希望者は現在、約47ドル相当のトークンを交換する必要があることを意味する。

アラゴンは2016年、イーサリアム上でローンチされた。2019年4月、中心となっている開発者がポルカドットプロトコル上で新バージョンの資金調達を始めるための提案書を提出した。トークン保有者は、この動きはイーサリアムの潜在的なライバルを支援することになると懸念して、提案を拒否した。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:DAO Platform Aragon Begins Recruiting Jurors for Tokenized ‘Court’