TaoTao、バイナンスが戦略提携で協議──仮想通貨交換業界・大再編のトリガーを引くか

TaoTao、バイナンスが戦略提携で協議──仮想通貨交換業界・大再編のトリガーを引くか

Zホールディングス(ZHD)の関連会社で、国内の仮想通貨交換業を手がけるTaoTao(タオタオ)と、仮想通貨取引所世界大手のバイナンスが、戦略的提携の締結を目指して協議を開始した。

TaoTaoと同社の株式の7割を持つZコーポレーション(ZHD傘下)、バイナンス(Binance Holdings Ltd)の3社が1月17日、提携に向けた協議を始めたと発表。ZコーポレーションとTaoTaoは発表で、「BinanceからTaoTaoへの世界最先端の暗号資産取引関連技術の提供や暗号資産取引所運営のサポートなど、日本市場における戦略的なパートナーシップについて協議」を進めるとしている。

またバイナンスは、「バイナンスが有する先端テクノロジーを活用し、TaoTaoとZコーポレーションは今後、金融庁と連携しながら、日本市場における法規制の遵守を行なっていく」と述べている。

Through licensing Binance’s cutting-edge technologies, Z Corp and TaoTao will collaborate with the Financial Service Agency to ensure full regulatory compliance in the Japanese market. 

日本には現在、bitFlyer(ビットフライヤー)や、マネックスグループが2018年に買収したコインチェック、LINE子会社のLVC、楽天ウォレットを含む22の仮想通貨交換業者が金融庁に登録。国内市場では、これらの交換業者によるし烈なシェア争いが続く。

バイナンス(Binance)はこの発表の前日である1月16日、日本居住者向けのサービス提供を段階的に終了する告知したばかり。またTaoTaoを傘下に持つZホールディングスはLINEとの経営統合プロセスを進めている。

厳しい国内市場のシェア争い

国内市場では、20を超える仮想通貨交換業者がし烈なシェア争いを続けている(Shutterstock)

仮想通貨の不正流出を受けて、取引所のセキュリティ対策や、仮想通貨を利用したマネーロンダリング(資金洗浄)が世界的に問題視される中、規制当局は仮想通貨交換業者に対して、「銀行並み」の厳しい規制を整備する動きを強めている。

市場関係者によれば、国内の交換業者を取り巻く事業環境と、規制強化の流れは、業界再編のペースを速め、廃業を迫られる取引所も現れるだろうという見方も聞かれる。

バイナンスは、世界で仮想通貨の取引が最も多く行われている取引所の一つで、通称「CZ」で知られるジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng)氏が、CEO(最高経営責任者)を務める。

バイナンスの日本での軌跡

「CZ」で知られるバイナンスCEOのジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng)氏(写真:CoinDeskを通じてバイナンスが提供)

TaoTaoとZコーポレーションとの提携協議を発表した前日の16日、バイナンス(Binance)は日本居住者向けのサービス提供を段階的に終了すると、日本のユーザーに告知していた。

バイナンスは過去に、日本で一時的に日本語サービスを展開していた。2017年に改正資金決済法が施行されると、国内では交換業者としての登録が義務づけられるようになった。金融庁は、交換業登録をしていないバイナンスが、無許可で営業を行っているとして、同社に警告していた。

バイナンスは日本語サービスを中止し、事実上、日本市場からの撤退を余儀なくされた。しかし、日本語でのサービスを終了したものの、一定の国内ユーザーのバイナンス人気は健在だ。

TaoTaoと提携することで、バイナンスは今後、日本市場の戦略をどう再構築していくのか?

コインベース、クラーケンの日本参入の現実味

コインベースCEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏(写真:CoinDesk)

一方、TaoTaoは2019年5月に、仮想通貨取引所「TAOTAO」をスタートさせた。同社は、取引や通貨の種類を広げる施策を続けながら、ブロックチェーンを基盤とするSTO(セキュリティートークンオファリング=デジタル化、トークン化した証券を発行して、資金を調達する方法)に関連した事業展開を視野に入れるとしている。

昨年、仮想通貨取引所の世界大手2社のコインベース(Coinbase)とクラーケン(Kraken)が、日本における交換業事業を検討していることが、関係者への取材で分かった。バイナンスがTaoTaoと戦略提携を進める一方、コインベースとクラーケンの国内市場における事業展開は、注目を集めるだろう。

また、Zコーポレーションを保有するZHDは昨年、LINEとの経営統合に合意し、統合に向けたプロセスを進めている。早ければ、2020年後半までに統合が完了する。LINEは、子会社のLVCを通じて仮想通貨交換業を展開しながら、トークンを中心とする経済圏の構築を検討している。ZHDとLINEの経営統合が、TAOTAOとLVCの事業にどう影響していくのかはいまだ分からない。

2020年、日本の仮想通貨交換業界では、再編の波が高まりつつある。TaoTaoとバイナンスは、その再編の大きな最初のうねりを起こすことになるのだろうか。

文:佐藤茂
編集:濱田 優
写真:CoinDesk Japan編集部

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