ビットコインETF、米SECが審査を進める2申請。2019年春に承認か、それとも審議延長か?

米国証券取引委員会(SEC)のテーブルには現在、ビットコインETF(特定の指数に連動して取引所に上場している上場投資信託)に関する複数の申請提案書が並ぶ。45日間にわたる審議を経て、いよいよ初認可となるか?

一つ目の申請は、VanEck(ヴァンエック )版ビットコインETFは、米資産運用会社ヴァンエックと金融サービスのソリッドXが、シカゴ・オプション取引所(CBOE)と提出したもの。2019年2月13日付の官報によると、この申請に対する審議は始まり、SECは45日以内に可否判断を下すか、審議の延長をすることができる。

もう一つは、ビットワイズ・アセットマネジメントが、NYSEアーカ(Arca)取引所と共に提出した申請である。

ヴァンエックでデジタル資産戦略のディレクターを務めるGabor Gurbacs氏は、申請が承認されれば、ビットコインETFは市場の注目を集めるだろうと述べた上で、「(ヴァンテックは)デジタル資産の透明性と使いやすさに加え、それらが市場において形成されるべくスタンダードを提供できるよう、関係企業と当局と共に積極的に議論を進めてきた」と話す。

仮想通貨のエコシステム

一方、ビットワイズでリサーチ部門グローバルヘッドのマット・ホーガン(Matt Hougan)氏は、仮想通貨のエコシステムは勢いを増して進化しており、この事実は新たな金融商品の誕生を促す可能性があると述べている。

「1年前、資格を持つ仮想通貨のカストディアン(有価証券の管理を行う機関)はたった1社しかなかった。今では10社弱までに増え、今後も増加傾向にある」(ホーガン氏)

さらにホーガン氏は続ける:

1年と数カ月前、我々には未来が見えなかった。1年前、新たな市場を作ろうとする企業はそう多くはなかった。そして、数カ月前、この新たな市場でフィデリティ(Fidelity)の様に大きな発表をした企業は少なかった。進化は速いペースで起きている。

フィデリティは投資信託における世界大手企業で、2018年10月に仮想通貨を安全に保管するカストディサービスを含む機関投資家向けのサービスを開始すると発表している。

仮想通貨のエコシステムにおける過去数カ月の発展を見ると、市場はSECが承認するに十分なまでに熟して来ているのではないだろうか、と話すのは仮想通貨の規制問題に詳しい弁護士のJake Chervinsky氏。

Chervinsky氏は以前、SECが審査を行う上で重要なポイントとして、ビットコインの時価総額、流動性、カストディ機能、市場操作性(Market Manupulation)を指摘していた。

ビットコインETFが承認されれば、米国の個人資産や資金が本格的に仮想通貨市場に流入する可能性がある。仮想通貨市場に限らず、金融市場においてもSECの審議結果は注目を集める。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:SEC image via Shutterstock
原文:The SEC Is Now Reviewing 2 Bitcoin ETF Proposals