ウクライナ、マイニングを規制せず

ウクライナのデジタル・トランスフォーメーション省は仮想通貨マイニングに対する規制を設けない意向を示した。

ブロックチェーン業界向けサンドボックス

2月7日(現地時間)に発表された文書で、ウクライナ経済のデジタル化を推進する同省は仮想通貨へのアプローチについての主な原則を挙げた。

この分野におけるウクライナ政府の主な目標は「デジタル化、デジタル・エコノミー、デジタル・イノベーション、e-ガバメントとe-デモクラシー、情報社会の発展における国の政策の形成と実行、さらに仮想通貨、ブロックチェーン、トークン化、AIの開発を確実にすること」と文書は記した。

最も注目すべきは、業界はすでにブロックチェーンの合意ルールによって自律的に運営されているとして、仮想通貨マイニングを規制するルールを導入する計画はないとしていること。

「我々はオープンな非中央集権的ネットワークの一部であるマイニングに対して誠実であり続ける。マイニングは政府の監視当局あるいは第三の規制当局からの監視を必要としない。マイニングはプロトコル自体とネットワークメンバーによって規制されている」

同省はまた分散型台帳、いわゆるブロックチェーンの「開発とマーケットへの導入に貢献」し、「同国の法律によって部分的に規制されていない、あるいは定義されていないものであっても、こうしたデジタル技術を使ったすべてのイノベーション」をサポートし、ブロックチェーン業界向けの規制サンドボックスを構築する。

決済の規制は実施

ウクライナ政府はさらに仮想通貨関連の収入への課税について、世界のベストプラクティスを採用しようとしている。2019年11月には、課税に関する法案が同国議会に提出された。

さらにウクライナは伝統的な金融と仮想通貨市場の相互作用を促進するとともに、サービスプロバイダーおよび法執行機関の双方による不正行為を防ごうとしている。

だが、他の機関からの圧力により、同国の金融規制当局は1200ドル(約13万円)を超える仮想通貨決済を追跡しようとしているとオクサナ・マルカロヴァ(Oksana Makarova)財務大臣は1月に語った。

この動きはウクライナのアンチ・マネーロンダリング対策を金融活動作業部会(Financial Action Task Force:FATF)の仮想通貨決済に関する最新勧告に合わせるものとマルカロヴァ大臣は語った。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Ukraine Won’t Regulate Crypto Mining, Government Ministry Says