MUFGのデジタル資産プラットフォーム「Progmat」は、なぜ独立会社になるのか?──CoinDesk JAPANの記事で振り返るその歩みと思い

10月2日に「株式会社Progmat」がスタートする。三菱UFJ信託銀行の次世代デジタル資産プラットフォームが、なぜ、連結子会社ではない、独立した株式会社となったのか。

CoinDesk JAPANの記事から、関連するものも含めてピックアップ。Progmatが誕生した背景、CEOに就任する齊藤達哉氏の思いを振り返ってみた。

改めて、ピックアップした記事を眺めると、2019年にProgmatの取り組みが明らかになった後、2020年、2021年はあまりニュースが伝わらず、2022年に入って、急に動きが活発になったことがわかる。今後、動きはますます加速していくだろう。

2019年

4月9日:三菱UFJ、coinの実用化を開始へ。狙うは「プラットフォームのプラットフォーム」

三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)はデジタル通貨「coin(コイン)」の実用化を2019年内に開始する。スマートフォン決済のサービスが乱立し、独自通貨を発行する企業も増えるなか、同社は“プラットフォームのプラットフォーム”としての役割を目指していくという。

11月7日:MUFGがブロックチェーン活用した金融取引基盤を開発、デジタル証券とスマートコントラクト組み合わせ

三菱 UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)がブロックチェーン技術を活用した金融取引基盤を作ることが11月7日、分かった。デジタル証券(セキュリティ・トークン、ST)の発行から流通まで、証券資金決済だけでなく権利保全も含め自動かつ一括で処理できるようにする。また同日、NTTやアクセンチュアなどと共にST研究コンソーシアムを立ち上げた。

12月26日:なぜデジタル証券を「信託銀行」が主導するのか──MUFGの取り組み(上)

なぜデジタル証券を「信託銀行」が主導するのか──MUFGの取り組み(上)

2020年春の改正金商法の施行で、「電子記録移転権利」などに位置付けられるセキュリティ・トークン(デジタル証券)。債権や不動産、ファンド持分などの所有権や配当を受ける権利をトークンの形で表したもので、改正法施行にともないビジネスチャンスが生まれると見られており、証券や銀行など金融機関が相次いで参入を表明している。

12月27日:MUFG「Progmat(プログマ)」の2つの課題とは──デジタル証券の取り組み(下)

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が開発しているデジタル証券プラットフォーム「Progmat(プログマ)」。前回の記事では、担当者である三菱UFJ信託銀行の経営企画部FinTech推進室 齊藤達哉氏に、信託銀行が中心になる意味を中心に聞いたが、その齊藤氏は「Progmatには大きな課題が2つある」という。

2020年

7月14日:三菱UFJがデジタル通貨「コイン」を2020年度内に開始へ【報道】

三菱UFJがデジタル通貨「コイン」を2020年度内に開始へ【報道】

三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)のデジタル通貨「coin(コイン)」が、2020年度内にも実用化されることが分かった。7月14日までに朝日新聞や毎日新聞など大手報道機関のインタビューで、亀沢宏規社長が明らかにしたもの。報道では時期について、「今年度後半にも」とされている。

2021年

10月11日:セキュリティトークンで激変する不動産投資──何がどう変わるのか?【イベント・レポート】

セキュリティトークンで激変する不動産投資──何がどう変わるのか?【イベント・レポート】

今夏、東京・渋谷の賃貸マンションが「不動産セキュリティトークン」を利用した資金調達(STO)で注目を集めた。そのSTOを手掛けたキーパーソンが9月28日、イベント「セキュリティトークンで激変する『不動産』ビジネスを見通す」に集った。

12月18日:デジタル証券の最前線:野村、三菱UFJ、三井物産のキーパーソンが語る

デジタル証券の最前線:野村、三菱UFJ、三井物産のキーパーソンが語る

12月14日に開催された「デジタル証券フォーラム〜資金調達の新手法 セキュリティトークンの登場〜」(主催:日本経済新聞社、共催:N.Avenue)のパネルディスカッションには、業界のキープレイヤーである野村ホールディングス執行役員の沼田薫氏、三菱UFJ信託銀行プロダクトマネージャーの齊藤達哉氏、三井物産デジタル・アセットマネジメントの上野貴司社長が登壇。

2022年

1月1日:三菱UFJのトークン構想──日本のインフラを買って、楽しむ投資の未来

三菱UFJのトークン構想──日本のインフラを買って、楽しむ投資の未来

三菱UFJ信託銀行は、ブロックチェーンを活用してデジタル証券の発行・取引を管理できるプラットフォーム「プログマ(Progmat)」を開発した。同行のデジタル企画室長の田中利宏氏と、Progmatのプロダクトマネジャーを務める齊藤達哉氏に、日本の「トークン金融」の近未来について聞いた。

2月7日:三菱UFJ、円連動ステーブルコインを発行へ──デジタル証券、NFT、暗号資産決済に対応

三菱UFJ信託銀行が、ステーブルコインの発行・管理ができる基盤「Progmat Coin」の開発を進める。Progmat Coin基盤を利用した、日本円に連動する独自のステーブルコインの発行も同時に行う。

2月21日:三菱UFJがデジタルウォレット──優待券、チケットをNFT化

ブロックチェーンを活用して、デジタル証券や日本円に連動するデジタル通貨などの発行・管理基盤を開発してきた三菱UFJ信託銀行が、デジタル資産用ウォレットの商業化を進める。

三菱UFJ信託は2月21日、同ウォレットを提供する計画を発表。また、株券に付随する優待券や、チケット、会員証などをNFT(非代替性トークン)として発行できる「Progmat UT」の提供を開始する。

2月21日:ケネディクス、デジタル証券の2例目を計画──三菱UFJの基盤活用、大和とSMBC日興が販売

不動産運用大手のケネディクスが、同社では2例目となる不動産のデジタル証券化を計画している。三菱UFJ信託銀行が開発したブロックチェーン基盤を活用し、大和証券とSMBC日興証券が投資家への販売を手がける。

三菱UFJ信託の2月21日付発表文によると、ケネディクスは、都内にある学生向けの賃貸住宅「エコールヴィレ赤羽志茂」の物件をデジタル証券化する。

2月25日:温泉旅館をデジタル証券化──三井物、三菱UFJ、野村が開発

三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)、三菱UFJ信託銀行、野村證券は、温泉旅館を裏付け資産とするセキュリティトークン(デジタル証券)を開発した。個人投資家をメインに売り出す。3社が2月25日に発表した。

4月11日:三菱UFJ 齊藤達哉──銀行で働く“起業家”はWeb3の日本の土台を作れるか?

三菱UFJ 齊藤達哉──銀行で働く“起業家”はWeb3の日本の土台を作れるか?

青森市で生まれ育ち、東北大学で経済学を学んだ後、次世代の新しい社会インフラを作ろうと日本最大の金融コングロマリットで働き続ける齊藤達哉さん。

日本では「失われた30年」と呼ばれるゼロ経済成長が続いているが、ブロックチェーンという革新的な技術をフル活用した近未来のデジタル金融インフラを作り上げるために、大企業で「起業家」のように働いていきたい。

そう話す齊藤さんは現在、三菱UFJ信託銀行・デジタル企画部デジタルアセット事業室でプロダクトマネージャーを務める34歳。

4月19日:三菱UFJ信託、航空機のデジタル証券を開発──不動産に続くトークン化商品

三菱UFJ信託銀行は2022年内にも、航空機を裏付け資産としたセキュリティトークン(デジタル証券)の開発を進める。同行が4月19日に発表した。一般の個人投資家が航空機に投資できるようになる。

6月30日:国内の信託銀行、暗号資産のカストディが可能に──内閣府令が改正へ

内閣府令が早ければ今秋にも改正され、日本国内の信託銀行による暗号資産(仮想通貨)の管理が可能になる。

金融庁の発表によると、今回の改正案は今後1カ月程度のパブリックコメント期間を経て、今年の秋頃に施行される見通しだ。

7月29日:東京ドーム、ホテルとスパの利用券をNFTで発行──三菱UFJの技術を採用

東京ドームは7月29日、三菱UFJ信託のプラットフォーム「Progmat UT」を活用して、「東京ドームホテル」と「東京ドーム天然温泉スパ ラクーア」で利用できるNFTの発行を開始した。2社が同日、共同文書で発表した。

9月29日:三菱UFJ信託、ステーブルコインとデジタル証券のクロスチェーン決済を商業化へ──Datachain社と提携

ブロックチェーンを基盤に、デジタル証券やデジタル通貨の発行・取引プラットフォームを開発する三菱UFJ信託銀行は、異なる複数のチェーン上で取引されるデジタル証券を即時決済できる仕組みを開発する。

三菱UFJ信託が組成した「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」は、今年4月に資金決済ワーキンググループ(WG)を設立し、開発協議を進めてきた。

12月21日:三菱UFJ信託、デジタル証券基盤「Progmat」をナショナルインフラに拡大──7社で合弁会社設立へ

三菱UFJ信託、デジタル証券基盤「Progmat」をナショナルインフラに拡大──7社で合弁会社設立へ

三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、三井住友ファイナンシャルグループ、SBI PTSホールディングス、JPX総研、NTTデータの7社は12月21日、Progmatの開発・提供と、「デジタルアセット共創コンソーシアム」(DCC、会員企業数163社)の運営を担う合弁会社の設立に向けた検討を開始することに合意したと発表した。

12月23日:「パーミッションレス型ステーブルコイン」の健全な導入・普及に向けた中間整理:デジタルアセット共創コンソーシアム

「パーミッションレス型ステーブルコイン」の健全な導入・普及に向けた中間整理:デジタルアセット共創コンソーシアム

三菱UFJ信託銀行が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」(DCC)は12月23日、11月に設置した「パーミッションレス型ステーブルコイン(SC)ワーキンググループ」による中間整理内容を公表した。

2023年

1月31日:世界初「日本酒トークン」発行に向けた共同検討を開始:三菱UFJ信託とSBIトレーサビリティ

世界初「日本酒トークン」発行に向けた共同検討を開始:三菱UFJ信託とSBIトレーサビリティ

三菱UFJ信託銀行とSBIトレーサビリティ株式会社は1月31日、三菱UFJ信託銀行が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」において、個々の商品などとの明確な紐づけが可能で、「本物」であること明示できる「トレーサブルNFT」の基盤づくりと、日本酒業界の課題解決を目的とした「日本酒トークン」の発行を目指す「日本酒トークン・ワーキンググループ(WG)」を設置し、検討を開始すると発表した。

3月28日:三菱UFJ信託銀行・ソラミツ・Datachain、異なるステーブルコインの相互移転・交換の実現に向けて技術提携

三菱UFJ信託銀行・ソラミツ・Datachain、異なるステーブルコインの相互移転・交換の実現に向けて技術提携

三菱UFJ信託銀行、ソラミツ、Datachainの3社は3月28日、国内で発行が期待されている多種多様なステーブルコイン間のスムーズな相互移転・交換の実現に向けて技術提携を開始したと発表した。世界でも先進的なユースケースの構築を行い、グローバルで利用される金融インフラの構築を目指すという。

5月1日:三菱UFJ信託銀行が札幌の宿泊施設のセキュリティトークン発行、ユーティリティトークンも付与

三菱UFJ信託銀行が札幌の宿泊施設のセキュリティトークン発行、ユーティリティトークンも付与

三菱UFJ信託銀行は、ケネディクス、大和証券と協働して、資産裏付型セキュリティトークン(以下、資産裏付型ST)を新たに発行したと4月28日発表した。

発行基盤には、同信託銀行が開発したデジタルアセット全般の発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」を活用している。同基盤は今年9月以降に独立会社「株式会社Progmat(仮)」に移管される予定。

5月22日:丸紅アセットマネジメント、三菱UFJ信託銀行、SBI証券が不動産セキュリティトークンで協業

丸紅アセットマネジメント、三菱UFJ信託銀行、SBI証券が不動産セキュリティトークンで協業

丸紅アセットマネジメント、三菱UFJ信託銀行、SBI証券は5月22日、山手線沿線に所在するレジデンスを投資対象としたセキュリティトークン(ST、いわゆる「デジタル証券」)の公募・運営での協業を発表した。

8月10日:MUFGとNTTデータが提携──デジタル社債向け「標準化インフラ」構築

MUFGとNTTデータが提携──デジタル社債向け「標準化インフラ」構築

三菱UFJ信託銀行とNTTデータは、三菱UFJ信託銀行が手がけるデジタルアセット全般の発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」と、国内で圧倒的なシェアを誇るNTTデータグループの社債管理基盤を連携させ、デジタル社債向け「標準化インフラ」の構築を進めることに合意。さらに三菱UFJ銀行は両社と協業して、同インフラを用いたデジタル社債の発行支援を開始する。

8月31日:国内機関投資家の暗号資産投資を可能に──三菱UFJ信託銀行とGincoが「暗号資産信託」提供に向けて協業

三菱UFJ信託銀行とWeb3開発会社のGincoは、信託銀行としては日本初となる「暗号資産信託」の提供に向けて協業を開始した。両社が8月31日に発表した。

9月5日:ステーブルコインでの企業間決済へ──MUFG、みずほFGが連携:報道

ステーブルコインでの企業間決済へ──MUFG、みずほFGが連携:報道

ステーブルコインのユースケースとして期待される企業間決済の実現に向けて、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とみずほファイナンシャルグループ(みずほFG)が連携するという。5日、日経新聞が伝えた。

MUFG傘下の三菱UFJ信託銀行は、次世代デジタル資産プラットフォーム「Progmat(プログマ)」の開発・提供を進めおり、さらに広く「ナショナルインフラ」とするために、まもなく独立会社化される見込み。このProgmatをインフラとして、ステーブルコインを発行し、企業間決済に利用していくようだ。