ビットコインでウクライナ軍を支援──寄付の動き、広がる

ウクライナ軍の支援を掲げる慈善団体に対するビットコイン(BTC)での寄付が、Blockchain.comのデータによると19ビットコイン(約70万ドル、約8100万円)を超えている。

このアドレスは少なくとも2021年8月から存在していたが、600件の取引の大半は2月に、さらにその多くは過去48時間に行われた。暗号資産データ分析会社のエリプティック(Elliptic)は、24日だけで40万ドル近くのビットコインが送られたと述べた。

ロシアは24日、ウクライナへの本格的な軍事行動を開始。攻勢が続くなか、アメリカをはじめとする西側諸国はロシアに重い制裁を課している。

ウクライナでは安全資産として暗号資産を求める人が増えていると、ウクライナの暗号資産取引所Kunaの創業者、マイケル・チョバニアン(Michael Chobanian)氏は23日に述べている。

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他の寄付方法とともに、寄付用のビットコインウォレットアドレス(Bc1qkd5az2ml7dk5j5h672yhxmhmxe9tuf97j39fm6)を記したフェイスブック投稿は、少なくとも22日から広く共有されている。プロジェクトは「Come Back Alive」と呼ばれ、ウクライナの軍事行動を支援すると主張している。ウォレットは、すでに受け取ったビットコインのうち、15万ドル相当を支出している。

「受け取った資金はすべて、軍のニーズにのみ使われます」と同団体はウェブサイトに記しており、資金の収支を記したスプレッドシートを公開している。

ウクライナ軍支援の寄付を呼びかける別の投稿によると、ウクライナの国防省は法律により暗号資産での寄付を受け取ることができない。暗号資産ユーザーは、ウクライナからの軍への寄付を求めるツイートに応え、国防省に暗号資産ウォレットを開設するよう求めたが、現段階では開設されていない。

一方、ウクライナの英字ニュース、Kyiv Independentが開設したビットコインウォレットには、約5500ドルの寄付が集まっている。同ニュースによると、寄付金は紛争に関する報道を続けるために使われるという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:People Are Sending Bitcoin to Aid Ukraine’s Military as Russia Advances