新型コロナ案件処理にブロックチェーン活用の中国保険会社——アリペイも利用:報道

国際的なコロナウイルス封じ込めの取り組みが続く中、ブロックチェーン技術は、保険サービス提供業者の医療書類処理の効率化に一役買っているようだ。

2020年2月9日付のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)の報道によれば、保険サービス提供業者はコロナウイルスの影響を受けた27を超える中国の都市と香港における補償請求に対する支払いを加速させるために、透明性を持って効率的に情報を処理するブロックチェーンの能力を活用している。

アント・フィナンシャル(Ant Financial)が所有する中国のオンライン相互扶助プラットフォーム、相互保(シャンフーバオ)は、請求対象のリストにコロナウイルスを追加し、ウイルスの被害を受けた人々に10万人民元(約160万円)の1度きりの支払いを可能とした。

請求を共有するプラットフォームはブロックチェーンネットワーク上に構築され、決済請求を加速させ、詐欺を防ぐことで、1億400万人のユーザーへのサービス提供にブロックチェーンを活用している。サービスは、中国および国際的に最も利用されているモバイル決済アプリ、アリペイ(Alipay)で利用可能となっている。

アント・フィナンシャルの在北京広報担当者は同紙に対し、ブロックチェーンの「トラストレスな性質」のために、相互保は従来の方法よりもずっと速く請求を処理し、支払いを行うことが可能になったと述べた。

ブロックチェーンの活用はまた、請求者の書類が提出された後に、請求者の処理についての透明性も高めている。患者がクリニックや病院を訪れてから24時間以内に、全関係者が、全プロセスをオンチェーンで閲覧可能だからである。

香港では、1名の死亡者を含む26の感染件数が報告されため、東亜銀行の子会社であるブルー・クロス・インシュランス(アジア-太平洋)(Blue Cross Insurance(Asia-Pacific)はブロックチェーンの導入に踏み切り、バックエンドデータを検証する時間を短縮することで、医療サービスへの圧力を緩和することとなった。

報道によれば、ブルー・クロス・インシュランスのブロックチェーンプラットフォームは、1秒に最大で1000件のトランザクションを可能にし、人間の介入の必要性を排除し、2019年のローンチ以来、保険契約者の増加に寄与している。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Chinese Insurers Tap Blockchain to Speed up Coronavirus Payouts