2019年CVC投資は過去最高の571億ドル、AI企業への投資は順調も伸び率鈍化【CBインサイツ】

国内でもここ10年で数多く設立され、投資額も伸びているCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)。CVCが関わった2019年のグローバル投資件数、投資額が過去最高の3,234件、571億ドルとなったことが、調査会社CB Insightsのレポートで分かった。

前年比の伸び率は鈍化、中国企業へのCVC投資も減少?

レポート「The 2019 Global CVC Report」によると、グローバルでのCVC投資は2014年にはわずか1,494件、179億ドルだった。19年は3,234件、571億ドルなので、5年で件数は2倍、額で3倍以上に伸びていることになる。

しかし前年の18年は2,997件・557億ドルと、17年と比べて件数で33%、額で53%と大きく伸びた年だった。このため、18年から19年については、1年で件数は8%、投資額は3%しか伸びておらず、伸び率だけ見ると鈍化したと言える。

CB Insights「The 2019 Global CVC Report」

レポートではその他の特徴として、中国ベースの企業へのCVC投資が過去4年以上の間で初めて下落したこと(件数で前年比19%、投資額で同41%)や、AI企業への投資は順調で、2018年には62億ドルだったものが19年には106億ドルにまで増えたこと、ヘルスケア分野の投資額上位をグーグルベンチャーズ(GV)が占めていることなどを指摘した。

最後に代表的な国内外のCVCを確認しておくと、GVのほか、Salesforce Ventures、IntelCapital、Baidu Ventures、Legend Capital、SBI Investment、Alexandria Venture Investments、Kakao Ventures、Mitsubishi UFJ Capital、Fosun RZ Capitalなどがある(CB Insights「The Most Active CVCs in 2018」の上位10社)。

文・編集:濱田 優
画像:everything possible / Shutterstock.com