仏マクロン大統領、EUにブロックチェーンの農業活用提案

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、農業を発展させ、食品トレーサビリティに対する懸念を解消するために、EU内でブロックチェーンのようなデータ技術をさらに活用することを呼びかけた。

農業ニュースサイト「Agridigitale.net」によると、2月23日土曜日(現地時間)、パリで開かれた第56回国際農業見本市の開幕式で、マクロン大統領は、農産物の追跡、および情報改ざんを防ぐ必要性について語った。最近ポーランドから病気の牛の肉がEU加盟国に輸出されたという疑惑が発覚したこともあり、その類の問題に対する消費者の懸念は高まっていた。そんな背景の中、マクロン氏は以下のように語った。

「全ての製品の原料生産から加工、包装、輸送までを追跡するツールを開発し、ヨーロッパは農業データにおける先駆者になりましょう」

同氏は、「イノベーションは目の前にある。農業の世界でも使われなくてはならない」とも述べており、そうすることで「優れた技術が共有」され、消費者にも恩恵がもたらされるだろうとしている。

同氏は、今後、ヨーロッパの農業政策は、農家や消費者を気候の変動や市場のリスクから保護すること、農業をより環境に優しくすること、そして、テクノロジーやイノベーションを活用して産業が抱える問題を解決していくことの3点を主軸にしていくだろうと述べている。

また、EU加盟国の協力を得ることができれば、食品偽装と戦い、農産物の基準が確実に守られるようにするためのタスクフォースの設置を提案するつもりだとも述べている。

編集部注:一部の発言はフランス語を訳したもの。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Emmanuel Macron image via Shutterstock
原文:French President Says Blockchain Could Put Europe at ‘Vanguard’ of Innovation