「プラットフォームのプラットフォームを目指す」イーサリアムの共同創業者が語る“ブロックチェーンの未来”

「プラットフォームのプラットフォームを目指す」イーサリアムの共同創業者が語る“ブロックチェーンの未来”

2019年4月9日DMMグループ東京本社で「Tokyo DOT Day」が開催された。Web3ファンデーション(Web3 Foundation)のプロジェクトを中心に、イーサリアムの共同創業者ギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏など、海外から招かれたスピーカーがプレゼンテーション行った。

「Tokyo DOT Day」はWeb3 FoundationとCryptoAgeが主催するイベント。海外から招かれたスピーカーがプレゼンテーションを行った。

Web3は真の「分散型インターネット」を目指す

今回のイベントで中心となったのはWeb3ファンデーションが進める各プロジェクトだ。2000年代中頃にティム・オライリーが提唱した「Web2.0」という流行語は有名だが、そもそもWeb3とは何か? 同ファンデーションのジャック・プラツ(Jack Platss)氏は次のように述べる。

「Web3とは、分散型でサーバーの必要ないインターネットです。利用者自身が自らのデータを制御できます。つまり、お金やデジタル・アイデンティティなど、デジタルな主権を取り戻せるインターネットです」

つまり、彼らが目指すのは「分散型のウェブ(decentralized web)」の実現だ。2018年からドイツのベルリンで「Web3サミット」を開催、2019年も8月19日〜21日にサミットの開催を予定するなど、ビジョンの具現化に向けて積極的に活動を続けている。

仕組みを説明するジャック・プラツ氏。

Web3ファンデーションではさまざまなプロジェクトを進めており、「Tokyo DOT Day」には、世界トップシェアのイーサリアム開発者向けクライアントなどを提供するパリティー・テクノロジーズ(Parity Technology)社、オンチェーンガバナンスのプロトコルを開発するEdgewareなど、プロジェクトと関係性が深いスピーカーがプレゼンテーションを行った。

彼らが特に重要視するのは、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題やブロックチェーン同士の相互運用性(Interoperability)の問題を解決するための「ポルカドット(Polkadot)」と呼ばれるプロトコル(コンピューター同士が通信をする際の手順や規格)である。

「私たちWeb3ファンデーションは、様々なプロトコルがまとまることで、この未来が実現すると信じています。ポルカドットは、そのための最も重要な要素の一つです」(ジャック・プラツ氏)

ポルカドットは、イーサリアム共同創業者であり元CTOのギャビン・ウッド氏が中心となって進めるWEB3ファンデーションの主要なプロジェクトだ。仮想通貨によるICO(Initial Coin Offering)の資金調達で 1億4500万ドルを得た。

「Web3にはビジョンだけではなく、それを実現するチームが必要です。非常に難しい課題ですが、同じくギャビン・ウッドが率いるパリティ・テクノロジー社には開発者がいます。他のパートナーといっしょにWeb3を実現していきたい」(ジャック・プラツ氏)

「現在のブロックチェーンは、まだ幼稚園にいる子供のような状態だ」

今回のイベントでは、ポルカドットのプロジェクトを推進するギャビン・ウッド氏が登壇した。彼は、その将来像を「プラットフォームのプラットフォーム(Platform of platform)」と表現し、次のように述べた。

「ブロックチェーンでは、今後コンフリクト(衝突)が増えていく。国家という枠組みでは、コンフリクトの機会を減らすほどルールに従ってより多くの利益を得られる。ポルカドットでも、個別のブロックチェーン同士をつなげてシナジーを生み出せば、コンフリクトを減らし利益を得られる仕組みができるだろう」

イーサリアム共同創業者兼CTOのギャビン・ウッド氏。

また、ギャビン・ウッド氏は、同プロジェクトの特徴やブロックチェーンの未来像について、いくつかの示唆的なポイントを述べた。プレゼンテーションで述べられたいくつかの印象的な言葉を引用する。

「ポルカドットには、共通の安全保障(シェアード・セキュリティ)という仕組みがある。一つひとつのブロックチェーンがセキュリティを保つのではなく、全体で一つのセキュリティを用意する。攻撃者は一つのチェーンを攻撃しようと思ったら、全体を攻撃しなくてはいけない。シェアード・セキュリティが傘のように守れる」

「現在のブロックチェーンは、まだ幼稚園にいる子供のような状態だ。(今のところは)そこら中を歩いて互いにぶつかっても危険なことは起きない。だが、いつの日か(ブロックチェーンが)成長したら、木の棒や水鉄砲を持つようになるだろう。その際には、経済的な利益がそのまま規範となるような、法を必要としない動機づけのアイデアが求められる」

「(今後は)ブロックチェーンのコンフリクトを減らすことが重要になる。NATOや国連のような存在になりたい。一つのチェーンを攻撃することは、すべてのチェーンを攻撃することになるように、ポルカドットが保障する」

最後に、同氏はポルカドットは現在PoC(Proof Of Concept:実証実験)の最中でローンチは2019年の終わりを予定しているが、2020年にずれ込むかもしれないと述べた。

文・構成:小西雄志
編集:久保田大海
写真:CoinDesk Japan編集部

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