ビットコイン下落に備えてオプショントレーダーの動きが活発

ビットコインオプション市場のデータは、投資家がビットコインの急激な上昇からの一時的な下落に備え始めていることを示している。

インプライド・ボラティリティ

ビットコインのインプライド・ボラティリティ
出典:Skew

ビットコインの1カ月インプライド・ボラティリティは2日間で、約55%から4カ月ぶりの高水準となる70.5%へと急上昇。この先4週間における価格変動の見通しが高まっている。

インプライド・ボラティリティは、オプション価格を計算する重要な要素で、ある特定の期間に資産がどれほどのリスクがあるか、変動するかについての市場の見込みを表す。

記事執筆時点で、1カ月インプライド・ボラティリティは65%。3カ月と6カ月のインプライド・ボラティリティもそれぞれ、低水準から回復している。

プット・コール・スキュー

ビットコインのプット・コール・スキュー
出典:Skew

1カ月、3カ月、6カ月のプット・コール・スキューが示すように、プット(弱気の投資)とコール(強気の投資)の間のマイナスの差は小さくなった。データを提供するスキュー(Skew)によると、1カ月のプット・コール・スキューは−27%から−14%に回復した。

これらの数字は、プット・オプション(弱気の投資)に対する需要の高まりを示している。投資家が価格下落の可能性に備えてリスクヘッジをしているサインと言える。

コール買いはインプライド・ボラティリティを上昇させることがあるが、今回のケースでは、プット・コール・スキューがボラティリティの上昇と並んで回復しており、プット・オプションに対する需要の高まりを示している。

機関投資家はプット・オプションを購入しているというデリビット・インサイツ(Deribit Insights)のツイートは、こうした分析を裏づけている。これは、必ずしも弱気バイアスを意味しないが、スポット市場におけるロング・ポジション(買い持ち)、あるいは強気ポジションに対するリスクヘッジ戦略の可能性がある。

オプション取引は、満期日の当日またはそれ以前に、原資産を事前に設定された価格で売買する権利を与えるデリバティブ(金融派生商品)。売買は義務ではなく、コール・オプションは保有者に買う権利を、プット・オプションは売る権利を与える。

荒れた値動きの影響

ビットコイン価格の大きな下落に対する恐れと、プット・オプションに対する需要は、ここ2日ほどで見られた値動きに触発されたようだ。

ビットコインは11月18日、アジアでの取引時間中に1万8358ドルまで上昇した直後、1万7200ドルまで下落。これを受けて、トレーダーがプット・オプションで強気心理に対するリスクヘッジを行ったため、ボラティリティとプット・コール・スキューが上昇したと、暗号資産(仮想通貨)取引所デリビット(Deribit)のショーン・フェルナンド(Shaun Fernando)氏は説明する。

ビットコインの1万ドルから1万8000ドル超えへの最近の急騰を受けて、プット・オプションへの関心が新たに高まっている。ビットコインは過去の強気市場において、20%を超える修正(下落)を複数回経験している。今回、修正は不透明なままだが、市場における供給不足が原因となる可能性がある。

あるいは、テクニカル分析によると、上昇傾向はある程度、勢いを失うかもしれない。

ビットコインのデイリーチャート
出典:TradingView

18日のローソク足の長い上向きの芯と、50を超える相対力指数(RSI)は、強気筋の疲弊を示している。

だが、3カ月、6カ月のプット・コール・スキューはマイナスで、マクロ要素はビットコインのような希少資産に有利な状態になっており、より広範なトレンドは依然として前向きだ。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Skew
原文:Bitcoin Options Investors Are Starting to Hedge Against Potential Price Pullback