クレカ、電子マネー、QRコード……決済サービスの歴史【キャッシュレス・フィンテック】

クレカ、電子マネー、QRコード……決済サービスの歴史【キャッシュレス・フィンテック】

QRコード決済を利用する機会が増えたという人は多いだろう。QRコードを含むキャッシュレス決済サービスの代表的な存在といえばクレジットカード。これらのほかにも電子マネーや暗号資産(仮想通貨)も含まれる。今のキャッシュレス社会に至るまで、どのような技術やサービスが生まれ、使われてきたのだろうか。キャッシュレスの歴史を時系列で振り返ってみよう。

「クレジットカード」東京五輪が普及促進──1960年代

本格的なクレジットカードカードの仕組みが誕生したのは1950年代だ。ある実業家がレストランで財布を忘れたことから着想を得て、カードであればツケで食事ができるクラブをつくった。このようにして誕生したのがアメリカの「Diners Club」だ。

現在、クレジットカードの5大国際ブランドとしては「VISA」「Mastercard」「JCB」「American Express(アメックス)」「Diners Club」が挙げられるが、最初に登場したのがこのDiners Clubで、1960年代にそれ以外の4ブランドが誕生する流れとなっている。

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日本でクレジットカードの普及が一気に加速するきっかけとなったのが、1964年開催の東京オリンピックとされている。一足先にクレジットカードの普及が進む海外からの観光客を受け入れるため、日本政府も国内での導入・普及に力を入れるようなったようだ。

「電子マネー」電車以外にも使われるSuica──2000年代

日本ではその後、2001年に電子マネーが誕生する。ソニーの技術を導入したJR東日本の「Suica」が最初の電子マネーであるとされ、その後、ICカードを使った電子マネーが続々と普及していくことになった。

電子マネーが広がった理由としては、クレジットカードのような厳しい審査がなく、決済にかかる時間も短いことなどが挙げられる。当初、電子マネーはカードごとに使えるシーンが異なっていたが、カード同士の提携が進んだことでさらに普及が進む結果となった。

ちなみに日本は世界でも有数の電子マネー大国であると言え、電子マネーの利用金額は2008年から2017年にかけて7,000億円規模から5兆円規模まで伸び、2025年には8兆円規模まで拡大すると言われている。

こうした市場規模の拡大には、カードではなくスマートフォンでも電子マネーを利用できるようになってきていることも寄与している。

「暗号資産」決済には不向き?だが──2010年代前半

クレジットカードも電子マネーも円などの基軸通貨をベースにしたものだったが、2008年に暗号資産(仮想通貨)としてビットコインが誕生(サトシ・ナカモトによるホワイトペーパー発表)、キャッシュレスの歴史は新たな段階に突入したといえる。

2020年代になっても暗号資産で決済できる場面はクレジットカードや電子マネーに比べるとまだ少ないが、利用の場はオンライン上だけではなく、すでに家電量販店やスーパーマーケット、アパレル店というように、徐々に広がりを見せている。

仮想通貨に関しては、いまはまだ投機目的で保有している人が大半だが、より社会で市民権を得ていくにつれ、対応していく店舗も増えていくとみられている。

「QRコード」○○Payが林立──2010年代後半

そして2010年代後半になって存在感を増してきたのがQRコード決済だ。QRコードは、日本のデンソーウェーブが1994年に開発した2次元コード。汚れや破損に強いこと、360度どこからでも読めること、省スペースで大きな容量のデータを表現できることなどが特徴だ。

デンソーウェーブのWebサイトより

QRコード決済は世界に先駆けて中国で爆発的に普及し、アリババが展開する「アリペイ」やテンセントが展開する「WeChat Pay」が急速にユーザー数を伸ばしていった。その背景としては、中国におけるスマートフォンの保有率の高さが1つとして挙げられる。

日本においてもすでに「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」「au PAY」「メルペイ」などのさまざまなQRコード決済サービスが登場しており、2019年はまだまだQRコードによる決済比率はクレジットカードや電子マネーには及ばないが、徐々に利用は増えている。

キャッシュレス推進協議会が発表した「コード決済利用動向調査」によれば、QRコード決済の利用金額は、2018年は1,568億円だったが、2019年には約6倍の9,607億円まで伸びたという。

また日本におけるQRコード決済に関しては、インバウンド客をターゲットとする店舗において対応が進んだことも特筆すべき点であると言える。アリペイやWeChat Payに対応できれば、中国人観光客にその店舗を利用してもらいやすくなるからだ。

キャッシュレス決済の比率、今後はどう変化するのか

長らくクレジットカードの全盛期が続き、いまも決済比率ではクレジットカードが首位だ。ただ2000年以降に新たに誕生した電子マネーやQRコード決済の利用も伸びている。

経済産業省によると、日本におけるキャッシュレス決済の比率は2019年時点で26.8%。その内訳はクレジットカードが24.0%、電子マネーが1.9%、QRコードが0.31%だ。今後この比率はどう変化するのだろうか。

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|文:coindesk JAPAN編集部
|編集:濱田 優
|画像:Shutterstock.com

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