SOL、XRP、ADAの下落が続く中、ビットコインの9万1000ドルの支持線に再び注目が集まる
  • ビットコインは依然として不安定な取引レンジにあり、9万3000ドルを突破できず、売り手と買い手の間で膠着状態が続いている。
  • イーサリアムは週5%以上の上昇を記録し、主要暗号資産をアウトパフォームした。一方、ETFの資金流入は、ビットコインからイーサリアムへの資金シフトを示唆している。
  • アメリカのマクロ経済データや、バンガードの暗号資産ETFへのアクセスといった動向は、市場センチメントとボラティリティに影響を与えている。

ビットコイン(BTC)は12月5日、9万2000ドル前後で推移した。前夜の9万3000ドル突破が再び失敗に終わり、ここ数日は方向性のない相場が継続している。

この動きは11月下旬から続く同じパターンだ。売り手は9万3000ドル台半ばを防衛し、買い手は9万1000ドル付近で参入するが、どちらの勢力も明確なトレンドを確立する勢いを得られていない。

月足チャートでは、BTCが11月初旬の高値から続く下降トレンドライン内に依然閉じ込められており、直近の反発も新たな高値を更新できなかった。価格は9万3500ドル付近で頭打ちとなり、調整パターンは維持されている。

モメンタムは依然として弱く、日中の回復の試みは急速に失速している。これは現在の水準を上回る流動性が依然として乏しいことを示している。9万1000ドルを明確に割り込めば、次の支持帯として9万ドルから9万500ドルが浮上する。一方、強気派が短期下降トレンドを無効化するには9万3200ドルを再奪還する必要がある。

大型のトークンは週末に向けてまちまちの動きだった。イーサリアム(ETH)は夜間の小幅な下落の後、3150ドル前後で取引され、ソラナ(SOL)は4%下落、エックス・アール・ピー(XRP)はほぼ5%下落した。カルダノ(ADA)は約2%下落した。市場全体の時価総額は過去24時間で約1%増加し、3兆2000億ドル(約496兆円、1ドル=155円換算)近くで推移している。これは7週間の下落後、約2週間前に始まった緩やかな回復を継続している。

ETHは過去1週間では5%超の上昇を記録し、主要暗号資産を牽引した。ジーキャッシュ(Zcash)も取引時間前半の急騰で好調なパフォーマンスを示した。

ETF(上場投資信託)の資金動向には明確な分岐が見られた。ビットコイン現物ETFは1490万ドル(約23億950万円)の純流出となった一方、イーサリアム商品は1億4020万ドル(約217億3100万円)の純流入を記録した。これは資金がビットコインからイーサリアムへと移行したことを示唆している。

過去24時間の清算データでは、ビットコインのロングポジション清算額が約4500万ドル(約69億7500万円)、ショートポジション清算額が5070万ドル(約78億5850万円)だった。一方、イーサリアムではショートの清算額が1億300万ドル(約159億6500万円)を超え、ボラティリティ上昇時にイーサリアム下落を予想したトレーダーが巻き込まれたことを示している。

マクロ経済データも不透明感を増した。アメリカのADP雇用統計は11月に3万2000人減と予想を大幅に下回り、労働市場の冷え込み加速を示唆している。賃金上昇率は鈍化し、先物市場は12月の利下げ確率を約90%と見込んでいる。

ドル指数(DXY)はトレーダーが利上げ予想を調整したことで急激に変動し、リスク資産市場では全体的にボラティリティが拡大した。

FxProのチーフ市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏は、ビットコインがセッション前半に9万4000ドルを短期間試した際、売り手からの抵抗は「まだそれほど強くない」水準だったと指摘した。9万8000ドル~10万ドル圏に達するまで、市場はより強い反発に直面しない可能性があると述べた。

彼は、高値圏での反応が、より持続的な回復が形成されているのか、それとも最近の上昇が単なる調整局面なのかを判断する手掛かりになると指摘した。

一方、Bitunixのアナリストは、市場が「マクロ経済の転換点への期待と暗号資産内部の資本循環が複合した局面」に入ったと指摘した。ETFの資金動向と不均一な清算パターンをリスク選好の分岐を示す証拠として挙げている。

さらに、ビットコインが9万3000ドルを上回って維持されるか、9万500ドルを下抜けるまで、構造的に変動が激しいレンジ相場が続くと予想している。

機関投資家の動きは市場センチメントを支えている。バンガード(Vanguard)は今週、顧客向けに暗号資産ETFへのアクセスを開始した。バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は機関顧客に対し、ポートフォリオの1~4%を暗号資産に配分することが可能だと伝えた。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)はビットコイン先物向けVIX型インプライド・ボラティリティ指数を導入し、イーサリアム、ソラナ、XRP向けも追って導入する予定だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Solana, XRP, ETH Extend Losses as Bitcoin’s $91K Support Back in Focus

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