自民・木原氏、ブロックチェーン推進議連を設立──政府に政策提言へ

自民・木原氏、ブロックチェーン推進議連を設立──政府に政策提言へ

自民党の議員有志は4月に「ブロックチェーン推進議員連盟」を立ち上げ、国内におけるブロックチェーン技術の開発と活用を加速させるための政策提言を今月27日、平井卓也・デジタル改革担当相に行う方針だ。

木原誠二・衆議院議員が同議連の会長に就き、平将明議員は会長代理を務める。事務局長には小倉將信議員が就任した。ブロックチェーン推進議員連盟は20日、都内で会見を開き、推進する政策提言の内容を記者に説明した。

米国や中国、欧州諸国、シンガポールなどがブロックチェーンを利用して、サプライチェーンや金融システムにおけるデジタル基盤の開発を急ピッチに進めるなか、日本国内においては同技術の本格的なユースケースは増えていない。

同議連は「ブロックチェーンを国家戦略に。~ブロックチェーンの普及に向けた提言~」と題する政策提言をまとめ、キーとなる7つのポイントを同日に配布した資料で述べた。

(20日の会見で政策提言の内容を説明する木原誠二・衆議院議員)

7つのキーポイント

国内外へのプロモーション:日本政府のブロックチェーンに対する意気込みを国内外に示すことで、国民のブロックチェーンに対する認知を高めるべき。
ブロックチェーン担当官の設置:金融分野・非金融分野をまたいで、ブロックチェーンに関する政策立案・調整を一元的に行う担当官を、デジタル庁内に設置するべき。
政府間の政策対話:各国政府におけるブロックチェーンの取り組み動向を把握したうえで、日本の技術仕様や運用方法が世界標準となるよう、デジタル庁が中心となって各国と協調するべき。
政府・自治体システムにおけるブロックチェーンの利用:政府調達でブロックチェーンを積極的に利用し、政府におけるブロックチェーン導入にむけた具体的な障壁を公開するべき。
ブロックチェーン特区の支援:政府・自治体は、サンドボックスなどを活用して、ブロックチェーンを利用した特定地域に焦点を当てた住民のQOL(生活の質)向上や、産業振興を図るプロジェクトを支援するべき。
政府・自治体が保有するIDと民間IDの接続プラットフォーム:マイナンバーに登録された住所情報が参照型のブロックチェーンと連携すれば、引越しの都度求められる住所変更登録作業が不要になる。政府が掲げる「ワンストップ・ワンスオンリー」の実現につながる。
ブロックチェーンの有効性が期待できる個別テーマ
サプライチェーンマネジメントはブロックチェーンとの親和性が高い分野。
・株主が完全にオンラインで参加するバーチャル株主総会で、耐改ざん性が高いブロックチェーンを用いた投票を活用すれば、会場と同等の権利行使が可能。
ノンファンジブル・トークン(NFT)のイノベーションが阻害されないよう、金融当局は事業者と緊密なコミュニケーションを図るべき。
セキュリティトークン(Security Token)は、市場を通じた資金調達に新たな道をひらくものであり、事業環境を整備するべき。
ステーブルコインは、クロスボーダーの決済手段として利用でき、スマートコントラクトを活用して、プログラム可能なデジタル通貨としてグローバルに普及する可能性が高い。日本も国内発行・流通を可能とする事業環境を整備するべき。
・日本では暗号資産(仮想通貨)を投資対象とする投資信託の組成が事実上禁止されている。結果、海外の機関投資家や上場企業からの日本への投資機会を逸失していると指摘されている。適切な対応が求められる。

欧米で拡大する暗号資産市場

(木原氏と共に20日の会見に出席した小倉將信議員)

暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として知られるブロックチェーン(分散型台帳技術)を巡っては、米銀最大手のJPモルガン・チェースやアリババを含む米中のトップ企業に加えて、北米の多くのスタートアップがその技術を活用した次世代型の基盤とソリューション開発を着々と進めてきている。

日本では、三菱UFJフィナンシャルなどがブロックチェーンを活用した超高速オンライン決済ネットワークを作り上げてきたが、国内におけるブロックチェーン技術の一般的な広がりは見られていない。

また、米国やカナダ、ドイツ、スイスなどの金融界では、暗号資産のビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの投資ファンドが開発され、機関投資家や企業が暗号資産市場に参入できる新たなエコシステムが作られてきた。投資家からの需要の高まりを受け、ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・ニューヨーク・メロンなどの既存の米金融機関も同領域におけるサービスを始めている。

|文・編集:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock

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