ANAが開発するバーチャルトラベル「SKY WHALE」にNFTが登場へ

ANAホールディングスは、スマートフォンやタブレットからアクセスできるバーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」の開発を進めているが、2022年のローンチでは、リアルとサイバー空間を融合する同プラットフォームでNFT(ノンファンジブル・トークン)の売買が可能になりそうだ。

ANAは20日、SKY WHALEの開発と運営を行うANA NEOを設立したと発表。サービスローンチは2022年を計画している。

事業パートナーには、旅行口コミサイトのTripadvisor、Eコマースサイト作成サービスのShopify、カンボジアのデジタル通貨基盤を手がけたフィンテックのソラミツのほかに、オンライン仮想空間にゲームやECなどのサービスを構築するフレームワークを開発したJP GAMESの名が連なる。

「時空を超える旅客機」をコンセプトにしたSKY WHALEは、3つのサービスで構成される。「Skyパーク」では、ユーザーは自宅にいながら最大8人が同時にバーチャル旅行を楽しむことができる。バーチャルツアーに合わせたリアル(現実)の旅行企画を予約することも可能だ。

リアルとバーチャルの旅行と買い物

(画像:ANAの発表文より)

2つ目の「Skyモール」は、空港でのショッピングをイメージしたバーチャル空間だ。自由にモールの中を歩きながら、買い物やイベントに参加することができる。ANAが展開するマイレージサービスの顧客にとっては、貯めたマイレージの利用手段が増えることになる。

「Skyビレッジ」は未来の街をイメージした空間で、バーチャルのスマートシティの実現を目指すという。ANA NEOは、サイバー空間における医療・教育・行政のサービス展開を計画している。

SKY WHALEの開発に参画しているJP GAMESは、スクウェア・エニックスでファイナルファンタジーXVのディレクターを務めた田畑端氏が始めたゲーム開発スタジオ。JP GAMESが開発した「PEGASUS WORLD KIT」は、仮想空間でゲームとECを融合させたサービスを構築できるフレームワークで、NFTや取引決済などのブロックチェーン技術を活用したサービスを作ることができる。

SKY WHALEの開発を進めるうえで、ANA NEOは今後、「世界的EC事業会社」を含めた企業とパートナーシップを結んでいくとしている。リアルとバーチャルの旅とショッピングが楽しみながら、デジタルなモノ(NFT)を購入できるデジタルプラットフォームを、航空会社がつくろうとしている。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:ANAの発表文より