偽のワクチン証明書、盗まれたワクチンがダークウェブに【新型コロナ】

偽の新型コロナワクチン接種証明書や盗まれたワクチンがダークウェブで販売されている。決済手段は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ダッシュ(DASH)、ライトコイン(LTC)、トロン(TRX)、モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)などのさまざまな暗号資産だ。ブロックチェーン分析企業のコインファーム(Coinfirm)が7月1日に発表したレポートで明らかになった。

これらの暗号資産が選ばれている理由は、グローバルな取引で広く使われているため、あるいは匿名性の高さのためと同社は述べた。

例えば、「COVID-19 Vaccine Shop」では、アストラゼネカ、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モデルナ、スプートニクVなどのワクチンが大量に販売されているようだとコインファームは伝えた。

出典:Coinfirm

東欧の顧客向けか

ワクチンの違法販売に加えて、ワクチン接種証明書も販売されていたという。証明書はアメリカやロシアなどの複数の業者が関与した「保健分野の汚職の可能性がある」と見られている。

さらに偽造証明書だけでなく、細かな情報が医師のサインとともに国の健康保険システムに入力されていたケースも見つかった。

偽造ワクチン証明書の代金を受け取ったとコインファームが特定したビットコインアドレスは、香港で登録された「特に東欧の顧客」向けの取引所のものであることも判明した。

米CoinDeskは取引所の詳細についてコインファームに確認を試みたが、当記事執筆時点までに回答はなかった。

だがコインファームは一部の取引所はKYC(顧客確認)を行っていないために、犯罪者が法定通貨を「簡単に」入出金できるというよく知られた問題に触れた。

「これがすべての責任ある企業は厳格なKYCポリシーを導入すべき理由だ」と同社は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Coinfirm
|原文:Fake Covid Certificates, Stolen Vaccines Sold on Darkweb for Bitcoin