暗号資産取引のビットバンク、ミクシィとセレスから75億円を調達──NFT事業も検討

暗号資産(仮想通貨)取引サービスを手がけるビットバンクは9月2日、ミクシィと資本業務提携に合意したことを明らかにした。また、同社はミクシィと既存株主のセレスから75億円の資金を調達すると発表した。

ビットバンクはミクシィから第三者割当増資で約70億円、セレスから5億円の資金を調達する。今回の資金調達により、ビットバンクの手元資金(暗号資産を含む)約150億円になる。資本提携後の持ち株比率は、ビットバンク創業者兼社長の廣末紀之氏が31.4%で、ミクシィとセレスがそれぞれ26.2%と22.4%になる。

国内の暗号資産交換業における競争が激化するなか、ビットバンクは、SNSの「mixi」やスマートフォンゲームなどを手がけるミクシィとタッグを組むことで、2社が築いていきた事業のシナジーを強めていく。

(画像:ビットバンクがオンライン記者会見で共有した資料より)

調達する資金は、ビットバンクの財務基盤強化につなげる一方で、IEO(イニシャル・イクスチェンジ・オファリング)やカストディ(資産の管理)、NFT(ノンファンジブル・トークン)などの新規事業を開発するための投資に充てる。

国内市場では、北米や欧州などとは異なり、機関投資家や事業会社が暗号資産に投資できる環境が整備されておらず、コインチェックやbitFlyer、ビットバンク、GMOコインを含む20を超える交換業者(取引所)が、個人を中心としたリテール需要に対してサービスを展開している。

また、暗号資産取引サービスでは大規模に事業を拡大してきた米コインベース(Coinbase)とクラーケン(Kraken)が日本に参入しており、国内市場における交換業者間の競争はさらに強まることが予想される。

廣末氏は2日の会見で、「昨年頃から北米の機関投資家が暗号資産市場に参入し、取引が活発となった。暗号資産市場は成長し、新たなステージに入ってきている」とコメントした。

|編集:佐藤茂
|画像:Shutterstock