暗号資産に関する米大統領令、テレビ朝日がOpenSeaに進出【3/5~3/11のトップニュース】

今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

原油が2008年以来の高値、ビットコインへの影響は

ビットコイン(BTC)はインフレヘッジと考えられている。つまり、理論的にはロシアのウクライナ侵攻で原油が2008年以来の高値になるなか、ビットコイン市場は盛り上がるはずだ。

Quantum Economicsのアナリスト、ジェイソン・ディーン(Jason Deane)氏は「ビットコインは安全資産として成熟する最初のサインを示し始めているのではないかと考えている。もしそうなら、理論的にはビットコインにとってプラスになるだろう」と述べた。

暗号資産ファンド、流入超が続く──BTCファンドは12月上旬以来の高水準

暗号資産(仮想通貨)ファンドは、ヨーロッパでの資金流出にもかかわらず、前週比3倍の流入増となり、約3カ月ぶりの高水準となった。

暗号資産運用会社コインベース(CoinShares)が7日に発表したレポートによると、3月4日までの1週間に暗号資産投資ファンドは1億2700万ドルの流入超となった。地域別内訳は、南北アメリカが1億5100万ドルの流入超、一方、ヨーロッパは2400万ドルの流出超となった。

ウクライナ副大臣が語る、暗号資産寄付の使途とマルチシグでの管理

一部の兵器サプライヤーは、暗号資産での支払いを受け付けていると、ウクライナ・デジタルトランスフォーメーション省のアレックス・ボルニャコフ(Alex Bornyakov)副大臣は7日、述べた。

副大臣によると、デジタルトランスフォーメーション省は、国防省の要求に基づいて軍用装備の購入をサポートし、寄付アドレスを設定したウクライナの暗号資産取引所Kuna、2つの省、5人の署名者(秘密鍵の管理者)、その他複数の政府関係者がキーパーソンとして携わっている。

インドから海外投資家の資金が流出──原油高が悪影響

インドは、取引高とユーザー数でみると、世界最大級の暗号資産(仮想通貨)市場のひとつ。だがインドでは今、海外投資家の資金が流出している。先週は約29億ドル(約3400億円)相当が流出し、今週はすでに7日と8日にそれぞれ10億ドル(約1200億円)相当が流出した。

今週初めにはインドの通貨ルピーは、1ドル77.11ルピーの過去最低水準まで下落、原油価格の上昇に悩まされる市場にさらにストレスを加えた。インドは原油の85%以上をロシアなどから輸入している。

コインベース、ロシアで2万5000のウォレットをブロック──不正行為の関与疑い

暗号資産(仮想通貨)取引サービス大手のコインベース(Coinbase)は、不正な活動に関連していると思われる約2万5000のロシア関連のウォレットアドレスをブロックしていることを明らかにした。最高法務責任者のポール・グレワル(Paul Grewal)氏が今週、ブログに投稿した。

この数字は、以前からロシア内で悪質な取引に関与してきたウォレットに対する制裁と、コンプライアンスへの取り組みを考慮したもので、ウクライナ戦争に特化したものではないという。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアにおいて不正な活動が急増したことは確認できていないと、グレワル氏は述べた。

インテルの新チップでマイニング能力を倍増、カナダのハイブ・ブロックチェーン

カナダの暗号資産(仮想通貨)マイニング会社ハイブ・ブロックチェーン(Hive Blockchain)は7日、インテル(Intel)の新しいマイニングチップを購入し、ビットコインマイニング能力を1.9エクサハッシュ/秒(EH/秒)から95%上昇させると発表した。

ODM(Original Design Manufacturing)メーカーがインテル製チップを空冷式ビットコインマイニングシステムに組み込む予定。システムは、2022年下半期から12カ月かけて納入されるとしている。

新しい世界通貨秩序が生まれつつある:クレディ・スイスのストラテジスト

かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、今はクレディ・スイス(Credit Suisse)の短期金利ストラテジストを務めるゾルタン・ポズサー(Zoltan Pozsar)氏は7日に発表した文書に、アメリカは今、新しい世界通貨秩序につながるコモディティ危機の中にあり、最終的には現在のドル基軸の金融システムは弱体化し、欧米でのインフレ率上昇を招くと書いている。

「この危機は、1971年にニクソン大統領(当時)がドルとゴールドの交換を停止して以降、我々が経験してきたものとは違う」

Astarにコインベースが出資、日本発のパブリックチェーン

暗号資産(仮想通貨)取引サービス米国最大手のコインベースが、日本発のパブリックチェーン「Astar Network(アスターネットワーク)」に出資した。Astar Networkは、渡辺創太氏がCEOを務めるStake Technologies(ステイクテクノロジーズ)が開発している。コインベースが3月7日に発表した。

博報堂DY、NFTマーケットプレイス開設へ──スポーツやアニメ、音楽で

博報堂DYグループは今春にも、NFTマーケットプレイスを開設する。「Hakuhodo DY Play Asset」プロジェクトを発足し、スポーツやアニメ、音楽の領域でブロックチェーン技術を活用したコンテンツ展開を手掛ける。博報堂DYメディアパートナーズが3月7日に発表した。

博報堂DYグループの博報堂DYメディアパートナーズ、博報堂DYスポーツマーケティング、博報堂DYミュージック&ピクチャーズがプロジェクトに参画する。NFTを活用して、コンテンツとファンとの新たな関係やコミュニケーションを作りたい考え。

ビットコインが横ばいのなか、ゴールドは史上最高値に迫る

ゴールド(金)は8日朝、1オンス2000ドル強の史上最高値に迫り、ロシアのウクライナ侵攻が激化するなかで注目を集めている。

「ビットコインはまだ生まれたばかりの資産テクノロジーであり、そのために下落している。しかし、リスクオン資産からリスクオフ資産への移行期にある。それが私の現状認識だ」とブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のシニア・コモディティ・ストラテジスト、マイク・マクグローン(Mike McGlone)氏は述べた。

丸井、トークン社債を発行へ──野村がFA、基盤はセキュリタイズ

丸井グループが、ブロックチェーンを基盤とするデジタル証券(セキュリティトークン)を発行する。野村證券がフィナンシャルアドバイザーを務め、米Securitize(セキュリタイズ)が開発したプラットフォームを採用する。

丸井、野村、セキュリタイズが8日に発表した。1年債を予定している。年利は1%程度で、その一部は丸井グループ傘下のエポスカードが運営しているポイントサービス「エポスポイント」で支払われる。販売対象は、エポスポイントを利用する個人投資家となる。

ギタリストのMIYAVIがメタバースでライブ──コインチェックが発表

暗号資産(仮想通貨)とNFTの取引サービスを手がけるコインチェックが、サムライ・ギタリストのMIYAVIとコラボする。The Sandboxで制作を進めているメタバース都市「Oasis TOKYO」で、ライブなどの音楽イベントを企画する。コインチェックが3月8日に発表した。

メタバースで「シン・秋葉原駅」開業──JR東日本とHIKKYがアキバの街を構築

東日本旅客鉄道(JR東日本)は3月25日、メタバース上に「シン・秋葉原駅」を開業する。オリジナルのバーチャル空間「Virtual AKIBA World(バーチャルアキバワールド)を構築し、ユーザーはスマートフォンから手軽に体験できるという。

利用料は無料。制作は、VRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYが手掛ける。IP(知的財産)とコラボしたコンテンツ企画やユーザーの交流の場となるオフ会ルームなどを運営する。

ビットコインが急上昇、イエレン財務長官の声明を誤って公開か

ビットコイン(BTC)の価格がアジア時間の9日午前、急上昇した。ジャネット・イエレン米財務長官の9日付の声明文が、米国時間8日に一時的に公開され、暗号資産市場がその内容に反応したと見られる。

バイデン大統領、暗号資産に関する大統領令に署名

バイデン大統領は現地時間9日、暗号資産に関する初の大統領令に署名し、連邦政府機関に対して、暗号資産規制の起案に向けて調整するよう指示した。

暗号資産分野に特化した大統領令は初めて。連邦政府機関に対して、暗号資産分野における取り組みや業務について、十分なコミュニケーションを取るよう指示している。だがバイデン政権が各機関に求める具体的なポジションには触れていない。

同様に、暗号資産企業が遵守すべき新たな規制も発表されていない。

豊崎氏率いるDeFiが資金調達──グーグル辞めてクリプトにダイブ

シカゴの大学を卒業した後に金融機関やグーグルなどで働いてきた豊崎亜里紗氏が、DeFi(分散型金融)サービスのスタートアップを共同設立した。430万ドル(約5億円)のシードラウンドを完了させ、いよいよ事業拡大に挑む。

DeFiで暗号資産(仮想通貨)を用いた仕組債を開発するCega Financeは9日、ドラゴンフライ・キャピタル、パンテラキャピタル、コインベース・ベンチャーズ、ソラナ・ベンチャーズ、アラメダ・リサーチなどから資金を調達したことを発表した。

広島カープ、メタバースで試合放送──ファン交流の場に

広島東洋カープの試合をメタバース空間で観戦できるアプリの提供が始まった。カープファンの交流の場が新たに生まれそうだ。制作を手掛けるビーライズが、3月9日に発表した。

サービス名は「メタカープ」で、広島テレビ放送とビーライズが共同で開発。カープ主催の試合を、メタバース空間内のスクリーンで放送する。

暗号資産マイニング企業は大統領令の恩恵を受ける:ジェフリーズ

バイデン大統領が署名した大統領令は、暗号資産(仮想通貨)マイニング会社をはじめとする暗号資産業界を広く支持し、暗号資産が世界経済での重要度を増すなかで、アメリカは「先手を打とう」としているようだと、投資銀行ジェフリーズのアナリスト、ジョナサン・ピーターソン(Jonathan Peterson)氏は顧客向け文書で述べた。

米国のインフレ率、加速予想広まる──40年ぶりの高水準

米労働省が米東部時間10日8時30分(日本時間22時30分)に発表予定の2月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.8%上昇、前年同月比8%上昇と予想されている。これは1982年以来となる40年ぶりの高水準で、1月の前月比0.6%上昇を上回るペースだ。

ロシアのウクライナ侵攻によって、コモディティ価格が高騰する前から消費者物価の上昇圧力が強かったことを示すだろうと、ブルームバーグは伝えた。

ビットコイン、再び4万ドル割れ

ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)市場は10日、前日の上昇から一転して、不安定な推移となり、トレーダーや投資家が確信を持てない状況であることを示した。

アルトコインはビットコインと比べると、売り圧力が小さかった。イーサリアム(ETH)は過去24時間、ビットコインの6%下落に対し、3%下落となった。

リップル、初めてNFTクリエイターに出資──4000人がファンドに応募

ブロックチェーンを使った決済ソリューションを手がけるリップル(Ripple)は初めて、NFTプロジェクトに取り組む独立系クリエイターに出資した。リップルが3月10日に発表した。

FTX、米決済大手ストライプを採用

暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXは、新規ユーザーの登録や入金、本人確認機能の構築に米決済インフラ企業ストライプ(Stripe)を採用した。目標は、口座開設と入金のプロセスを、ユーザーにとってより「シームレス」な体験にすることとストライプが10日発表した声明は記した。

テレビ朝日、OpenSeaに進出──書道家・柏木白光氏のNFTアートを販売

テレビ朝日が世界最大級のNFTマーケットプレイス、OpenSea(オープンシー)に進出する。書道家の柏木白光氏の作品を世界に向けて販売する。11日、テレビ朝日メディアプレックスが発表した。

体操・金メダリストの内村航平選手、引退記念でNFT──LINE、OpenSeaを活用

プロ体操選手で金メダリストの内村航平氏が、現役選手引退に合わせてNFTを販売する。スポーツコンサルティングジャパンが手掛ける。11日夜に、特設サイト「KOHEI UCHIMURA PROJECT」を立ち上げる。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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