銀行システムを侵食する暗号資産、対応に苦慮する米規制当局:報道

銀行システムを侵食する暗号資産、対応に苦慮する米規制当局:報道

銀行をはじめとする金融システムを暗号資産(仮想通貨)が侵食していることによる混乱への対応に、米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする政府機関は苦慮している。ニューヨーク・タイムズ(NYT)が5日、伝えた。

記事よると、暗号資産は「その短い歴史のなかで、高度なテクノロジーとともにリスクの高い投機が行われている」。当局は暗号資産には潜在的な危険性があり、それを抑制しようと考えているという。

また記事は、米証券取引委員会(SEC)が爆発的に成長する暗号資産業界に対処するために専門家を置こうとしていることにも触れた。規制の作成や議会を動かすには少なくとも1年は必要なことを考えると、SECは暫定的なガイドラインを発行する可能性がある。

暗号資産業界の事例としては、最近発生したポリネットワーク(PolyNetwork)の6億ドル規模のハッキング事件や、急速に成長し、複数の州で法的な問題が浮上している暗号資産レンディングのブロックファイ(BlockFi)、記事のなかで「運営が完全に規制システムの枠外にある」と記載されたDeFiプラットフォームのコンパウンド(Compound)が取り上げられた。

8% vs 0.06%

記事はブロックファイが提供する最大8%の金利を米銀の普通預金の平均金利0.06%と比較している。だが、FRBの前例のない金融緩和政策など、銀行金利の背景にあるマクロ要因には触れていない。

また、「暗号資産は新たなシャドーバンク。多くの同じサービスを提供しているが、伝統的なシステムを支えている消費者保護や金融安定性を持たない」という暗号資産に批判的な姿勢を取るエリザベス・ウォーレン上院議員の発言を引用している。

記事によると、規制当局はステーブルコイン──DeFiにおいて融資や預かり金として使用されている──を裏付ける準備金とアルゴリズムの妥当性を懸念しているという。

さらに中央銀行デジタル通貨(CBDC)は暗号資産を無用なものにする可能性があると述べ、アメリカのCBDC、いわゆるデジタルドルは「暗号資産エコシステム全体を弱体化させる可能性がある」とのパウエルFRB議長の最近の発言にも触れた。

多くの伝統的な金融機関がDeFi(分散型金融)がもたらす破壊の可能性に神経質になっていると記事は述べたが、すでに多くの金融機関が暗号資産サービスを提供していることや、多くの暗号資産企業の存在には触れていない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:米連邦議会議事堂(Shutterstock)
|原文:As More Consumers Bank With Crypto, Washington Sounds the Alarm: NY Times
※編集部より:タイトルと本文の一部を修正しました。

おすすめ記事: