ユーザー1名に宇宙旅行──中国の規制強化でグローバル展開を急ぐフォビ

暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するフォビ・グローバル(Huobi Global)は、8周年記念キャンペーンを1カ月にわたって展開。さまざまなイベントや「宇宙旅行」を1名に贈るプレゼント企画などが行われている。

記念キャンペーンは、中国政府が暗号資産(仮想通貨)への規制を強化し、同社が中国本土での暗号資産取引所の運営を終了するタイミングとも一致している。

グリーンスパン元FRB議長が登壇

キャンペーンの目玉は、ユーザー1名に贈られる「地球外周」への旅。同社によると、フォビ・グローバルの全ユーザーが対象となる。

同社は、宇宙旅行を実施する企業名を明らかにしていない。現在、ヴァージン・ギャラクティック、ブルー・オリジン、スペースXが宇宙旅行を提供している。10月、フォビはヴァージン・ギャラクティックの創業者リチャード・ブランソン氏の自宅がある英領ヴァージン諸島の島に2人の暗号資産専門家を送っている。

また、フォビは11月8日にオンラインフォーラムを開催し、エコノミスト、政府関係者、暗号資産業界のリーダーによるパネルディスカッションを行う。今年の登壇者には、米連邦準備制度理事会(FRB)元議長のアラン・グリーンスパン氏が名を連ねている。

中国が暗号資産を全面禁止としたため、グローバルな拡大がフォビの記念キャンペーンの真のテーマと言える。フォビは9月下旬に中国本土での新規ユーザー登録の受付を停止。年末までに既存アカウントを削除していく。

すでに売上の70%は中国以外から

すでに売上の70%は中国以外から得ており、グローバル展開はトルコ、ブラジル、インドネシアなどの新興市場をターゲットにしているとフォビ・グローバルは述べた。同社によると、グローバル展開の成功はユーザー数で評価しており、参入した新しい市場で存在感を発揮し始めているという。

「ユーザー数の拡大に関しては、東南アジアやCIS(独立国家共同体:旧ソ連諸国による地域協力機構)で活発化している。中南米では最近、事業を開始したばかりだが、この地域も大いに期待できる」とフォビ・グローバルのグローバル戦略ディレクター、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏はコメントした。

また同社はグローバルでの従業員数を10月初旬の2300人から、年末までに3000人に増やすという。

「我々はグローバルな人材獲得に取り組んでいるが、各マーケットで適切な人材を見つけることもきわめて重要。少しずつ前進しており、年末までにどのくらい達成できるかを判断するにはまだ早い」とメイ氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船(Shutterstock)
|原文:Huobi Focuses on Expansion, Sponsors Contest to Send One Winner Into Space