ビットコイン急落、BitMartで約220億円のハッキング──12/4~12/10の暗号資産・ブロックチェーンニュース

12月2日 100万個の音楽NFTで、100万枚ヒットを狙う

電子音楽プロデューサーの「デッドマウス(deadmau5)」とロックバンド「ポルトガル・ザ・マン(Portugal. The Man)」は、最新曲をプラチナディスク(100万枚のヒット曲)とするためにストリーミングではなく、ノンファンジブル・トークン(NFT)に注目している。

彼らの最新曲「this is fine」は、NFTマーケットプレイス「Mintbase」で、12月2日から100万個のNFTコレクションとして独占販売がスタートした。

12月3日 FTXが15億ドル調達を計画か、評価額は320億ドル:報道

暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所FTXは15億ドル(約1700億円)の資金調達を検討している。米ニュースメディア「The Information」が3日、匿名の2人の関係者からの情報をもとに報じた。

資金調達によって、FTXの評価額は320億ドル(約3兆6000億円)、子会社FTX.USの評価額は80億ドル(約9000億円)にのぼる可能性があるという。

12月4日 DeFiからWeb 3.0へのシフトを反映──CoinDesk 20のリスト更新

四半期ごとに見直される「CoinDesk 20」に今回、コスモス(ATOM)、ソラナ(SOL)、インターネットコンピューター(旧Dfinity、ICP)が入った。この変更は、Web 3.0関連のソフトウェアプラットフォーム、ツール、インフラが、DeFi(分散型金融)およびDeFi関連アプリに取って代わったことを反映している。

一方、CoinDesk 20から抜け落ちた暗号資産は、アーベ(AAVE)、ザ・グラフ(The Graph/GRT)、ユニスワップ(UNI)。DeFiトークンが大手中央集権型暗号資産(仮想通貨)取引所に上場し、CoinDesk 20に入ってきた2020年前半の傾向が覆された。

12月4日 ビットコイン、一時4万2000ドル付近まで下落

ビットコイン(BTC)は4日はやく、1時間あまりで約1万ドル近く急落し、一時4万2000ドル付近となった。現在(日本時間4日15時頃)は4万7000ドル付近となっている。24時間でビットコインは約1万5000ドル、イーサリアム(ETH)は約1100ドル下落した。

12月4日 約220億円ハッキング、暗号資産取引所ビットマートが認める

暗号資産(仮想通貨)取引所ビットマートがハッキングを受け、1億9600万ドル(約220億円)が流出した。

ハッキングを最初に伝えたのはセキュリティ分析会社ペックシールド(Peckshield)。4日夜(日本時間5日朝)、ハッキングらしき動きについてツイートした。

ビットマートは当初、テレグラム(Telegram)の公式チャンネルで、暗号資産の移動は日常的な引き出しと主張し、ハッキングに関する報道を「フェイクニュース」と呼んだ。しかし数時間後、ビットマートの最高経営責任者(CEO)のSheldon Xia氏は、流出は「セキュリティ侵害」によるハッキングと認めた。

12月6日 ビットコイン、年末に向けた上昇の可能性は低い:テクニカル分析

ビットコイン(BTC)の年末に向けた「リリーフラリー(安堵感からの上昇)」は実現しないかもしれない。マクロリスクが高まるなか、重要なテクニカル指標は弱気に転じている。

「週足MACDは4月以来初めて『売り』シグナルになっており、年末に向けてリスクが高まっている」とフェアリード・ストラテジーズ(Fairlead Strategies)の創業者ケイティ・ストックトン(Kaite Stockton)氏は6日、リサーチノートで述べた。中期的に売られすぎと判断されるところまで、さらに下落する余地があるという。

12月6日 メタバーストークン、初期投資家の売りで大きく下落

メタバースおよびゲーム関連の暗号資産は6日、暗号資産市場が週末の下落と戦うなか、大幅に下落した。暗号資産分析会社メッサーリ(Messari)によると、代表的なメタバーストークンのディセントラランド(Decentraland/MANA)は、1週間で約25%下落。ディセントラランドは11月25日に時価総額が100億ドルに達したが、現在は66.3億ドルとなっている。

プレー・ツー・アーン(プレーして稼ぐ)ゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」のトークンの1つ、アクシー・インフィニティ(AXS)も1週間で約23%の下落。CoinMarketCapによると、アクシー・インフィニティの現在の時価総額は62億1000万ドル、11月7日には97億7000万ドルとなっていた。

12月6日 220億円ハッキング、原因は秘密鍵の流出:ビットマートCEO

ハッカーは、2つのホットウォレットの秘密鍵を盗み、1億9600万ドル(約220億円)の暗号資産を流出させたと暗号資産(仮想通貨)取引所ビットマート(BitMart)のCEO、Sheldon Xia氏は6日、ツイートした。

ビットマートは初期セキュリティチェックを完了、影響を受けた暗号資産を特定しており、自社資産で補償を行う予定とXia氏は述べた。

12月6日 バイナンスとアニモカブランズ、2億ドルのファンド設立

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と香港に拠点を置くゲーム開発会社アニモカブランズ(Animoca Brands)は2億ドル(約230億円)のファンドを立ち上げ、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain:BSC)上に構築されたブロックチェーン・ゲームプロジェクトに投資する。両社が6日、プレスリリースで発表した。

12月6日 日本円ステーブルコインのJPYC、松屋銀座にて代理購入サービス開始

前払式支払手段扱いの日本円ステーブルコイン「JPYC」を取り扱うJPYC社は12月6日、松屋銀座の対象売場でJPYCを使用した代理購入を開始した。

代理購入とはJPYC保有者が購入したい商品をJPYC社に申し込み、JPYC社が松屋銀座から商品を代理で購入して販売するもの。JPYCによるリアル店舗での商品購入は初の試みとなる。

12月6日 DeFiの分散化は「幻想だ」:BIS報告書

国際決済銀行(BIS)は6日、報告書を発表。国際的な非銀行系金融仲介業者の世界における展開を検討し、政策の展望を提供している。報告書に含まれる5つの特集のトップでは、DeFiと、それが金融安定にもたらす影響を扱っている。

報告書は「DeFiの分散型という性質は、政策の実行方法をめぐって問題を提起する」と指摘しながらも、「DeFiの完全な分散化というのは幻想であると、私たちは主張する」とも述べている。

12月7日 ポリゴン、40%上昇

暗号資産(仮想通貨)市場が7日、週末の大幅下落から回復を続けるなか、イーサリアムブロックチェーンのスケーリングソリューションであるポリゴン(Polygon)のネイティブ暗号資産が大きく値を上げた。

暗号資産ポリゴン(MATIC)は6日朝の1.79ドルから、24時間で2.50ドルとなり、約40%の上昇となった。当記事時点では2.32ドル付近となっている。

12月7日 元グーグルCEO、チェーンリンクラボの戦略アドバイザーに

チェーンリンク(Chainlink)は7日、グーグル(Google)の元CEO、エリック・シュミット(Eric Schmidt)氏が戦略アドバイザーとしてチェーンリンクラボ(Chainlink Labs)に参加したと発表した。

12月8日 VISA、銀行向け暗号資産アドバイザリー業務を開始

クレジットカード大手のビザ(Visa)は銀行の暗号資産ビジネスを支援するグローバルな暗号資産アドバイザリー業務を開始した。

「銀行と暗号資産エコシステムの間をつなぐことは、ビザの重要な役割だと考えている。銀行はすべて、暗号資産戦略を持つべきだ」と同社暗号資産責任者カイ・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏はコメントした。

12月8日 CBDCはクロスボーダー決済に有効:BISの実証実験で

中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、金融機関の間で国際的な取引を行うのに有効であることが、国際決済銀行(BIS)が最近完了させた実験の結果、明らかとなった。

8日に発表された報告書によれば、「プロジェクト・ジュラ(Jura)」と呼ばれるこの実験は、11月に3日間にわたって実施。金融システム発展のための技術活用を模索するBISイノベーション・ハブと、フランスおよびスイスの中央銀行が参加した。6月にその計画が発表されたジュラは、2020年にフランス銀行が開始した一連のCBDC実験プロジェクトの一環でもある。

12月8日 クラウドファンディング「キックスターター」、ブロックチェーンに移行

クラウドファンディングの「キックスターター(Kickstarter)」は8日、新会社設立を発表。多くの人が創造的なプロジェクトを追求できるようにするとのミッション実現に向けて、セロ(Celo)ブロックチェーン上に新たなプラットフォームを構築すると述べた。

新しいプロトコルは協力者や貢献者、さらには競合他社も利用可能という。プロトコルの準備が整い次第、既存ウェブサイトを新システムに切り替える予定だ。

12月8日 ビットコインマイニング機器のマーケットプレイス誕生──北米での供給問題に対応

暗号資産(仮想通貨)マイニングとステーキングを手がけるファウンドリー・デジタル(Foundry Digital)は8日、ビットコインマイニング機器のマーケットプレイス「FoundryX」を開設したと発表した。

背景には、サプライチェーンの問題や世界的な半導体不足によって北米のマイニング事業者が(マイニング機器メーカーのある)アジアから機器をタイムリーに確保することが困難になっていることがある。

12月8日 パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー「Very Peri」がNFTに──ブロックチェーンはテゾスを選択

テゾス(Tezos)はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用していることから、自らを「グリーン」ブロックチェーンと称しているが、12月8日は違う色「ベリー・ペリ(Very Peri)」に彩られた。

この紫がかった淡いブルーは、米パントン(PANTONE)の2022年の「カラー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。パントンは2021年にふさわしく、このカラーをテゾスブロックチェーンを使い、ノンファンジブル・トークン(NFT)コレクションとして発表した。

12月8日 DAOの情報ポータル登場

暗号資産(仮想通貨)調査会社メッサーリ(Messari)は8日、「Messari Governor」の開始を発表した。DAOのガバナンスをチェックするためのプラットフォームだ。メッサーリのベン・オニール(Ben O’Neill)氏は、目標はユーザーが重要な情報をすぐに把握できるプラットフォームを作ることと語った。

12月9日 JCB、Datachainと「デジタル通貨交換基盤」構築に向けた実証実験を開始

ジェーシービーは12月9日、Datachainと異種ブロックチェーン間の相互接続・流通に関する実証実験を開始した。

DatachainとJCBは、両社の資産やノウハウを融合することで、今後も革新的なサービスの創出を目指すとともに、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通の実用化に向けて、デジタル通貨発行基盤を担う企業やプロジェクトと広く協議していくとしている。

12月9日 デジタル人民元、クロスボーダー決済のテストは第2段階へ:報道

中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長は12月9日、中国と香港は中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元」を使ったクロスボーダー決済のテストの第2段階に入ったと述べた。国営メディアの上海証券報が伝えた。

中国と香港は、香港の銀行や事業者と連携して、デジタル人民元ウォレットを使った送金、支払いの第1段階の技術テストを成功させたという。第2段階では、デジタル通貨システムと、香港の銀行間デジタル決済システム「FPS(Faster Payment System)」との連携を図る。

12月9日 ジャスミー、日本旅行と旅行産業のDX化に向けた実証実験の検討開始

ジャスミーは12月9日、日本旅行と旅行産業のDXに向けた実証実験の検討を開始したと発表した。同社が開発したプラットフォーム「Jasmy Personal Data Locker(PDL)」を活用し、ジャスミーが保有するIoTとブロックチェーン技術を活用した新たなサービス、アプリケーションの開発により、顧客への新たな価値提供実現の可能性を検討する。

12月9日 米ユニバーサル ミュージック、アバター会社と提携

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)は9日、アバター開発会社「ジーニーズ(Genies)」との提携を発表した。これまで、ジャスティン・ビーバーやショーン・メンデスなどのUMG所属アーティストは自ら同社にアバター作成を依頼していた。

提携により、UMGの全アーティストは自身のアバターを「進化するデジタルワールド」に移植できるようになった。

12月10日 ポリゴン、ゼロ知識証明の「Mir」を約4億ドルで買収──事業拡大ペースを加速

イーサリアムのスケーリングソリューションとして注目を集めるポリゴン(Polygon)が、ゼロ知識証明の開発を行うスタートアップ「Mir」を買収することに合意した。

ポリゴンは12月10日、Mirの買収を発表。買収にはMATICトークンが利用され、合意時のレートに換算すると、買収額は約4億ドル(約450億円)に相当するという。

ポリゴンは現在、10億ドル規模の事業拡大戦略を進めており、今回の買収はイーサリアムのスケーリングに貢献できるものだと、同社は説明する。イーサリアムのスケーリングに加えて、Web3.0ユーザーへの規模拡大を図る上で、ゼロ知識証明が重要になってくる。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock.com