【US市場】ビットコイン、センチメントは弱気シフト──逆張りサインとなるか

ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)は6日、5日の下落の後、安定して推移した。株式などの他のリスク資産への投資を控える動きがあるなか、一部のアナリストは、今月は暗号資産のボラティリティが高止まりすると予想している。

5日の下落によって8億ドルの先物が清算され、値動きを加速させた。アナリストの中には、ビットコイン先物のレバレッジが最近上昇していることに注目している。これは通常、市場のリスクが高まっていることを示す。

テクニカル分析からは、ビットコインが反発する可能性もあるが、上昇幅は限られているようだ。

最新価格

●ビットコイン:43,163ドル、−2.41%
●イーサリアム:3,418ドル、−5.71%

●S&P500:4,696、−0.10%
●ゴールド:1,788ドル、−1.20%
●米国10年債:1.72%

弱気センチメント

市場参加者のセンチメントを測るビットコインの「Fear & Greed Index」は7月以来の低水準となっている。これは市場が恐怖状態にあることを示し、暗号資産トレーダーの間ではしばしば、逆張りサインと見られている。

「Fear & Greed Indexは1カ月半以上、Greed(欲)のサインを出していない。ネガティブな市場センチメントが通常見られないほど、長く続いている」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)はレポートに書いている。

ただし、価格は通常、上下に決定的な動きをする前に横ばいで推移するため、指数が1カ月程度、「fear(恐怖)」モードにとどまることがある。

ビットコインのFear & Greed Index(CoinDesk, Alternative.me)

ビットコインのドローダウン、深まる

ビットコインは2021年11月の史上最高値、約6万9000ドルから約35%下落している。ドローダウン(ピークから底値までの下落率)は7月以降で最大。過去にはドローダウンは80%近いレベルに達し、回復に数カ月を要した。

現状、過去1年のドローダウンは、過去の極端なレベルに比べると、それほど深刻ではない。

ビットコインのドローダウン(Koyfin)

アルトコイン

イーサリアム・キラー、下落:イーサリアムブロックチェーンのリプレースを狙う、アバランチ(AVAX)、テラ(LUNA)、ソラナ(SOL)は、過去24時間で12%下落した。同様にポルカドット(DOT)も6日のアジアの取引時間に若干回復する前に約14%下落した。これらの、いわゆる「イーサリアム・キラー」は2021年に数百%の上昇を見せた。

イーサリアムのDeFiにおける優位性に懸念:優位性を維持するために必要なイーサリアムブロックチェーンのスケーリングは、予定よりかなり遅れるかもしれないとJPモルガンはレポートで述べた。スケーリングの核となる「シャーディング」(承認作業を並行して行う技術)の最終フェーズは来年(2023年)になりそうだ。一方、テラ(Terra)、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain)、アバランチ(Avalanche)、ソラナ(Solana)、ファントム(Fantom)、Tron(トロン)、Polygon(ポリゴン)などのオルタナティブ(代替)ブロックチェーンは、DeFiで大きくシェアを伸ばしている。

分散型取引所の取引高、下落:最近の暗号資産市場の下落にもかかわらず、メッサーリ(Messari)のデータによると、DeFiの預かり金額(TVL)は過去最高を約6%下回ったレベルで安定している。「だが、分散型取引所(DEX)の取引高は、他のDeFiの爆発的な動きに遅れをとっている」とメッサーリは6日、ニュースレターに記した。DEXの月次取引高は、6月以降、過去の最高値を下回っている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, Alternative.me
|原文:Market Wrap: Bitcoin Sentiment Turns Extremely Bearish