【US市場】ビットコインは下落、当面はレンジ相場か

ビットコイン(BTC)は7日、売り圧力が強まり、4万ドル以下で推移した。ロシアがウクライナへの攻撃を強めているなか、株式も下落した。

ロシア産原油の輸入禁止に向けた検討が行われいることを受けて、ここ数日、エネルギー価格は高騰しており、経済成長の鈍化と株価の下落につながる可能性がある。

暗号資産市場では、ビットコインは過去24時間で3%下落、イーサリアム(ETH)は5%下落した。取引高は依然として低迷しており、短期的な買い圧力は失われ、価格が上昇しても限定的になるだろうとアナリストは指摘した。

それでも、センチメントとテクニカル指標はニュートラルで、これは通常、ボラティリティの上昇に先行する。

最新価格

●ビットコイン:37,933ドル、-3.54%
●イーサリアム:2,485ドル、-6.04%

●S&P500:4,201、-2.95%
●ゴールド:2,001ドル、+1.85%
●米国10年債利回り: 1.75%

レンジ相場

ビットコインはこのところ、レンジ相場となっている。レンジ相場は一般的に短期トレーダーに有利に働き、短期トレーダーはサポートとレジスタンスでポジションを取り、価格が中間に戻ったときに利益を上げることを狙う。

下図は、最近の3万4000ドルから4万5000ドルのレンジ相場を示したもの。サポート/レジスタンス付近では取引高が上昇している。また、ビットコインブロックチェーンのトランザクションを見ると、サポートとレジスタンスの中間で需要と供給は上昇している。

コインベースの機関投資家リサーチ責任者デビッド・デュオン(David Duong)氏は「暗号資産市場は、持続可能な回復が始まる前に、今後2〜3カ月は横ばいで推移することになるだろう」とレポートに書いている。次の大きな動きは、中央銀行の政策や地政学的イベントの動向が明確になった時に生まれる可能性があるという。

ビットコインの価格推移と取引高(Glassnode)

トレーダーのセンチメントは、弱気で推移している。ビットコインのFear & Greed Indexは過去3カ月、「恐怖」領域にとどまっている(0〜49は「恐怖」、50〜100は「貪欲」を示す)。

暗号資産データ会社グラスノード(Glassnode)は「ここ数週間、価格は横ばいで推移し、比較的、落ち着いた状況になっている。しかし、需要が限られているいることを考えると、この微妙なバランスは、売り手の枯渇、あるいは活発化があるレベルに達すると崩れる可能性がある」とブログに記した。

ビットコインのFear & Greed Index(Alternative.me)

アルトコイン

カルダノ、クジラの保有高が過去最高に:DeFi(分散型金融)トークンのひとつ、カルダノ(ADA)が上昇するなか、クジラと呼ばれる大口保有者による買い集めが進んでいる。大口保有者(100万〜1000万ADAを保有)の保有残高は先週、過去最高の120億ADA(約97億2000万ドル、約1兆1000億円)に達し、1月下旬から40%以上増加したことが、ブロックチェーン分析会社IntoTheBlockのデータで明らかになった。

著名開発者の離職でDeFiトークンが下落:著名開発者のアンドレ・クロニエ(Andre Cronje)氏が業界を去るというニュースを受けて、数十のDeFiトークンが下落した。同氏と関係のない暗号資産も含まれていた。6日、同氏と共同作業を行うことが多かったアントン・ネル(Anton Nell)氏が、同氏と自身はDiFi開発の「章を閉じる」とツイートした。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin Dips; Trading Range Could Result in Sharp Price Swings