中国のマイニング企業、株式上場は現実的か?香港証取CEOの気になる発言

仮想通貨のマイニング(採掘)に使用するハードウエアなどを開発する中国企業、ビットメイン(Bitmain)、カナン(Canaan)、イーバン(Ebang)が新規株式公開(IPO)の準備を進める中、香港証券取引所の経営幹部が慎重姿勢ともとれる発言をした。

中国テンセント(騰訊)が運営するニュースサイト「Finance.QQ」によると、香港証券取引所(Hong Kong Stock Exchange=HKEX)・最高経営責任者(CEO)のCharles Li Xiaojia氏は、「上場申請を検討する上で、企業による持続可能なビジネスモデルの設計は不可欠」と発言。

同CEOのコメントは具体的な企業に対して述べたものではないが、仮想通貨マイニング企業による上場申請に関して聞かれると、同氏は香港証取における上場の必要条件を強調したという。ビットメインは2018年9月に、カナンは5月、イーバンは6月にそれぞれ、同取引所に上場申請を行なっているが、現在までに承認を受けた企業はない。

報道によると、同CEOは、一企業が一つの事業で数十億ドルの収益を上げた後に、その事業の事業性や収益性などの考察をせずに他のビジネスを始めるようなことをすれば、取引所は、その企業に対して本業の持続可能性を問うことになると述べたという。

ビットメインの上場を巡っては、香港証取による早期の承認は難しいだろうとする見方が、多く聞かれる。事情に詳しい関係者は、仮想通貨マイニング業界の高い変動性や不安定さを理由に、香港証取は、同業種の上場承認に対しては総じて慎重になっていると話す。

イーバンは2018年12月に上場目論見書の草稿を再提出しているが、その中で、同社は2018年第3四半期の売上高と粗利益が大きく落ち込んだことを明らかにしている。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:HKEX image via Shutterstock 
原文:Hong Kong Stock Exchange CEO Casts Doubt on Crypto Miner IPO Filings