自民党・ふじすえ議員、暗号資産の分離課税に向けた税制改正に言及:JCBAレポート

自民党のふじすえ健三参議院議員は、暗号資産(仮想通貨)の分離課税に向けて与党内の調整を図り、国益に向けて成長を促進するべきとの意見を述べた。5月13日に開催された日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)のイベントで発言した。

暗号資産で発生した利益は、雑所得として課税される。税率は最高55%となるほか、確定申告が必要となることなどが投資の障壁となっている。FX(外国為替保証金取引)は、2012年から一律の分離課税が適用されている。

税制改正の道筋は

日本暗号資産取引業協会(JVCEA)によると、国内の暗号資産利用者口座数は580万口座にのぼる。うち20歳代と30歳代で過半数を占める。税制改正当時の店頭FXと比べ、暗号資産の設定口座が上回るという。

ふじすえ氏は、政府内に税制改正によるメリットの分析やロジック構築を担う組織の必要性を指摘。また、税制調査会における重要なメンバーを説得することや、これを後押しする世論が意思表示をすることが重要であると語る。

自民党・税制調査会にアプローチ

ふじすえ氏によると、税制改正では、前税制調査会会長の甘利明氏や野田毅氏、現会長の宮沢洋一氏などが、強い影響力を有しているという。こうした人物にアプローチを図りながら、税制改正を進めていく構えだ。

Mt. Gox事件から暗号資産関連の法制に携わるふじすえ氏は、分離課税に移行することが国益と成長の促進につながると意見を表明した。分離課税の実現可能性については、「議論を行っていても、暗号資産に対する気運が3年前とは違う」と述べている。

|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
|トップ画像:JCBA提供