ビル・マーレイ氏、NFTオークションの収益18万5000ドルを奪われる──NFTコレクションのハッキングは防ぐ

俳優ビル・マーレイ氏のNFTチャリティーオークションは119.2イーサリアム(ETH)、約18万5000ドル(約2570万円)を集めて終了したが、数時間後、ハッカーがそのお金を盗み出した。

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Etherscanのデータとマーレイ氏のチームからの詳細情報によると、ハッカーは米東部時間(ET)9日1日19時、マーレイ氏の個人ウォレットからイーサリアムを引き出し始めた。さらにハッカーは、マーレイ氏のNFTコレクションも盗もうとしたという。

この事件は、有名なセレブでさえ、ハッキングのターゲットになり得ることを示した。しかしマーレイ氏のケースでは、ウォレットセキュリティチームが最悪の事態を防いだ。

マーレイ氏のNFTコレクションは保護

NFTコンサルタント会社Project Venkmanのウォレットセキュリティチームは、2体のCryptoPunks、Pudgy Penguin、Cool Cat、多数のFlower Girlsなどを含む高額なNFTを2つのより安全なウォレットに移し、マーレイ氏のNFTをハッキングから守った。

ハッカーはまた、ウォレットに保管されていたマーレイ氏のコレクションから800個のNFTを盗もうとしたが、Project VenkmanはこれらのNFTも安全なウォレットに移し、ハッキングを阻止したと述べた。チームは、NFTを自動的に安全な場所に移すスクリプトを動かしたという。

ただし、イーサリアムを守ることはできなかった。ハッカーは、チャリティーオークションのために集められた119.2イーサリアムを盗み出した。マーレイ氏のチームによると、ハッカーは盗んだイーサリアムを暗号資産取引所バイナンス(Binance)およびブロックチェーンソフトウェアソリューションを提供するUnionchain.aiに関連したウォレットアドレスに送信した。ハッカーはまだ特定されていない。

チャリティーのためのイーサリアムは失われてしまったが、オークションで落札を競った米コインベース(Coinbase)ユーザーのMishap72氏が、代わりに120イーサリアム(約18万7500ドル、約2630万円)をオークション収益の寄付先だったNPO「Chive Charities」に送ったという。

マーレイ氏のチームは、事態を警察に通報、ハッカーを特定するためにブロックチェーン分析会社チェイナリシス(Chainalysis)と連携していると述べた。チェイナリシスに取材を試みているが、当記事執筆時点までに返答はなかった。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Coinbase, modified by CoinDesk
|原文:Hacker Steals Bill Murray’s Crypto After $185K NFT Charity Auction