破綻したセルシウスはポンジスキームと呼ぶべきだ──州金融規制局の書類が明かした衝撃の事実【コラム】

破綻したセルシウスはポンジスキームと呼ぶべきだ──州金融規制局の書類が明かした衝撃の事実【コラム】

暗号資産(仮想通貨)レンディングのセルシウス・ネットワーク(Celsius Network)の破産申請手続きの中で、米バーモント州金融規制局が提出した新たな書類から、セルシウスが2022年の暗号資産市場の低迷後からではなく、早くも2019年には実質的に破産状態にあったという衝撃の事実が明らかとなった。

セルシウスもすでに、捜査当局の調べに対し、「投資家たちに支払われていた利回りを支えるのに十分な収入を得たことは一度もなかった」と認めている。

今回の書類はさらに財政分析によって、「少なくともどこかの時点で、既存の(セルシウス)投資家に対する利回りがおそらく、新しい投資家の資産で支払われていた」と考えられると指摘しているのだ。

金融規制局はその言葉を使ってはいないが、これはまさに「ポンジスキーム」そのものだ。

つまり、CEOのアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏による多くの発言とは対照的に、セルシウスは、レンディングから得た利回りを預金者へと渡す暗号資産保有者のための投資仲介業者として機能していたことはないのだ。

むしろ、創業とほぼ同時期から少なくとも部分的には、他の預金者の資産、ベンチャーキャピタル投資、何の裏付けもなく発行されたCELトークンを含め、収入以外の資金を預金者への利回りの支払いに充てていたのだ。

私は先日、持続不可能な高利回りを金融の世界で顧客獲得戦略として使うことに内在する危険について記事を書いた。

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これには、ブロックファイ(BlockFi)やテラ(Terra)ブロックチェーンのアンカー(Anchor)システムなど、他の組織も当てはまる。しかし、マシンスキー氏をはじめとするセルシウスのチームは、テラの創業者ドー・クォン(Do Kwon)氏のような妄想的な間抜けよりもはるかに厳しい窮地に立たされているかもしれない。

クォン氏の場合は、USTステーブルコインについての自らのバカげた主張を本当に信じていた可能性がわずかながらある。だからこそ、私は彼を暗号資産界のエリザベス・ホームズ氏と呼んだのだ。ホームズ氏と同じように、クォン氏が生粋の詐欺師だったのか、ただのおバカさんだったのか、はっきりしないところが少しあるからだ。

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一方のマシンスキー氏は、同じような曖昧さに逃げることはできない。バーモント州金融規制局の書類には、証拠があるのだ。

セルシウスが実際には大きな赤字を出しているのに、マシンスキー氏がその財政の健全性について、公でお墨付きを与えた具体的な日付が、再三にわたって指摘されている。そのような欺きは、マシンスキー氏とその側近たちを詐欺で刑事告発する基盤となるかもしれない。

嘘とトークンを乱発

バーモント州金融規制局の書類では、セルシウスの財政におけるCELトークンの役割も検証。

「セルシウスが所有するCELを除外すれば、セルシウスの負債は、規制当局に提出された仮バランスシートのすべての資産を超えている」と指摘されている。さらに、「所有するCELを除外すれば、少なくとも2019年2月28日以来、負債超過であったはず」なのだ。

つまりセルシウスは創業以来ほとんどずっと、実質的に破産状態にあったのだ。それを認めるのを回避できていた唯一の理由は、自ら生み出した架空のお金の価値を計上していたからなのだ。

バーモント州金融規制局の書類ではさらに、「セルシウスとその経営陣が、CELトークン価格の不適切な操作を行なっていた」とされている。セルシウスはトークン価格を吊り上げる意図を持って、預金者の数億ドル相当の資産を使ってCELトークンを買っていた可能性がある。しかも、6月12日にユーザーによる資金の引き出しを停止した後にもである。

どこの裁判所でどんな判決が下されようとも、これは間違いなく犯罪行為のように聞こえる。

さらに、この先規制当局が検討するべき大きな問題も提起している。中央集権化された民間企業はそもそも、独自ブロックチェーントークンを自由に発行することを許されるべきなのだろうか?もし許されるとしたら、会計上そのようなトークンをどのように説明するべきなのか?

セルシウスの事例は間違いなく、企業収益を確保する合法な手段として、独自の通貨を発行するべきではないという根拠の1つとなる。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:mundissima / Shutterstock.com
|原文:Vermont Regulators Didn’t Use the Word, but I Will: Celsius Was a Ponzi

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