【US市場】ビットコイン、上昇サインか

ビットコイン(BTC)は29日、米商務省が第2四半期(4−6月期)のGDP確定値を発表、2四半期連続の前期比マイナスが確定したことを受けて急落したが、その後回復、当記事執筆時点では0.06%下落となっている。

イーサリアム(ETH)は、ビットコインと同じような値動きとなり、当記事執筆時点では0.28%下落した。イーサリアムは、ある期間における平均的な取引レンジを表すATR(Average True Range)がこの1週間で13%減少、ボラティリティが低下している。

暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、1.35%下落した。

経済カレンダー:第2四半期の米GDP確定値は、前期比0.6%減となった。少なくとも一般的な定義では「2四半期連続のマイナス」は景気後退(リセッション)と見なされる(米商務省が発表したデータは、8月25日に発表されたデータの確定値で、新しいデータではない)。

消費財・サービスの価格変動の指数となる個人消費支出(PCE)は、予想の7.1%増に対して7.3%増。消費支出は予想の1.5%増に対して2%増となった。

企業収益は6.2%増し、前四半期の2.5%減から回復した。

経済カレンダー:株式市場は下落した。ダウ平均は1.5%、ナスダックは2.8%、S&P500は2%下落。

コモディティ:WTI原油価格は0.74%下落、欧州ブレント原油は0.7%下落、天然ガスは0.8%下落した。ゴールドは0.04%下落、銅先物は2.1%上昇した。

最新価格

●ビットコイン:19,435ドル、-0.8%
●イーサリアム:1,336ドル、-0.9%
●CoinDesk Market Index(CMI):958ドル、-0.3%

●S&P500:3,640.47、-2.1%
●ゴールド:1,669ドル、+0.5%
●米国10年債利回り:3.75%、+0.04

テクニカル分析

ビットコインは「ハイヤーロー(higher low)安値が直近の安値より高くなること)」となり始めており、再び上昇を始める基盤を固めつつあるようだ。

ビットコインは9月21日の安値1万8157ドルから7%上昇、続く9日のうち、6日でハイヤーローとなっている。

上昇トレンドのもう1つの要素は「ハイヤーハイ(higher high)」だが、こちらはそうなってはいない。9月21日以降、ハイヤーハイとなったのは、3日のみ。

強気投資家はこの展開を他の指標を組み合わせ、ポジティブに動くかもしれない。9月21日以降、RSI(相対力指数)は27%上昇している。

またビットコインは最近、他の多くの暗号資産のパフォーマンスを上回っている。特にイーサリアムは9月8日以降、19%下落している。その他、カルダノ(ADA)、エックスアールピー(XRP)、ポリゴン(MATIC)を上回り、ビットコインは依然として暗号資産投資の第一の選択肢であることを示している。

中立から弱気の投資家は、現在の「ポイント・オブ・コントロール」に注目しているようだ。ポイント・オブ・コントロールは、しばしばサポートやレジスタンスを示す。

ビットコインの年初から現在までのポイント・オブ・コントロールは約2万300ドル、現時点の価格よりわずか5.4%高くなっている。

ビットコインは上昇するように見えるが、まもなく2万ドル付近のレジスタンスにぶつかるとの懸念もあるようだ。

出典:TradingView

アルトコイン

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|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Showing Potential Signs of an Upswing