【US市場】ビットコインとイーサリアム、小幅下落──木曜日発表の9月の米CPIに注目

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は10日、小幅の下落となった。木曜日(13日)には9月の米CPI(消費者物価指数)の発表が控えている。

12日には9月のFOMC(米公開市場委員会)の議事要旨も発表される。FOMCは11月の会合で、4回連続となる0.75%の利上げを行うと見られている。

ビットコイン(BTC)は1.07%下落。取引高は20日移動平均と比べると、過去10取引日のうち9取引日が平均を下回った。取引高不足は、強気/弱気いずれかの確信の欠如を示している。

イーサリアムも1.12%下落。取引高は12日連続で20日移動平均を下回っている。

暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、0.90%下落。

株式市場:株式市場は下落。ダウ平均は0.32%、ナスダックは1.04%、S&P500は0.75%下落した。

ドルインデックス:8月以降、ビットコインとほぼ逆相関関係となっているドルインデックス(DXY)は0.34%上昇。

コモディティ:エネルギー市場は下落、WTI原油は2%、欧州ブレント原油は2.1%下落した。金属市場では、ゴールドは2%下落したが、銅先物は1.6%上昇した。

最新価格

●ビットコイン:19,238ドル、-1.2%
●イーサリアム:1,308ドル、-1.0%
●CoinDesk Market Index(CMI):952.64、-1.1%

●S&P500:3,612.39、-0.7%
●ゴールド:1,675ドル、-1.5%
●米国10年債利回り:3.89%、+0.005

テクニカル分析

出典:Optuma

ビットコインは、大きな値動きの要因がないために、横ばい推移が続いている。

米CFTC(商品先物取引委員会)が毎週火曜日に発表するレポート「Commitment of Traders(COT)」によると、先週、大口投機家はビットコインの保有高を減らし、ポジションはほぼニュートラルとなった。COTは、米先物市場における参加者の資産保有状況を示す。

ビットコインをはじめとする暗号資産全般の問題は、暗号資産そのものに対する市場の信頼よりも、経済環境全体に関連しているようだ。

ビットコインは厳しい経済ニュースに直面するなかで回復力を維持しており、6月中旬と同じ水準で取引されている。この間にFOMCは3回、合計2.25%の金利引き上げを行い、11月も0.75%の金利引き上げを行うと見られている。

米国2年債と10年債のイールドカーブは7月以来、逆転している。逆イールドは、2008年、2001年、1990年の景気後退に先行しており、投資家は暗号資産などのリスク資産への投資を控えている。

伝説的なヘッジファンドマネージャー、ポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones)氏は10日朝、CNBCのインタビューで、ビットコインに対する以前の強気姿勢を後退させ、ビットコインの保有を減らしたと述べた。

テクニカル指標では、日足の14日RSI(相対力指数)は44となり、中立を示している。ビットコインは、1万9383ドルの20日移動平均付近となっている。

オンチェーンデータも現状、中立的なセンチメントを反映しているようだ。ビットコインの資金調達率は、11日連続でプラスとなったあと、現在ほぼゼロ付近となっている。

出典:Glassnode

資金調達率は、市場センチメントを表し、プラスは市場がロングに傾いていることを意味し、マイナスはその逆を意味する。

アルトコイン

USDコインの時価総額、テラ崩壊後初めて5000億ドルを割る:サークルが手がけるステーブルコイン、USDコイン(USDC)の時価総額がテラ(Terra)エコシステム崩壊後、初めて5000億ドルを下回った。暗号資産バイナンスがUSDCなどのステーブルコインのバイナンスコイン(BNB)への変換を決定、またサークルがミキシングサービスのトルネード・キャッシュ(Tornado Cash)に関連するアドレスの凍結を決定したことを受けて、ライバルのテザー(USDT)が人気を回復している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Trades Flat Ahead of Inflation Report