イーサリアム、1週間で16%上昇──3カ月ぶりの上昇率

イーサリアム、1週間で16%上昇──3カ月ぶりの上昇率

イーサリアムブロックチェーンの技術的な大改革、いわゆるMerge(マージ)は、ネイティブ暗号資産イーサリアム(ETH)価格に意図通りの強気効果を与え始めている。

イーサリアムは10月30日までの1週間で16%超上昇した。これは7月中旬以来の上昇率で、ビットコイン(BTC)の5%上昇を上回った(CoinDeskのデータ)。

「2つの主要暗号資産は(ようやく)上昇の時を迎えたが、人々はまだイーサリアムのトークノミクスの変化に適応しているため、現状では勢いはまだ(イーサリアムの方が)強い」とSeleni Capitalの最高投資責任者(CIO)ジョルディ・アレクサンダー(Jordi Alexander)氏は語った。

9月15日、イーサリアムブロックチェーンはMergeによってプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行し、マイナーをバリデーターに置き換えた。バリデーターは、取引を確認する責任を負う主体として、イーサリアムブロックチェーンにイーサリアムを預け入れる。

Merge以降、イーサリアムの供給量は1300ETH増加した。だがPoWのままなら、供給量は48万1000ETH以上増加していただろう。

ultrasound.money

ultrasound.moneyによると、イーサリアムの発行量の増加率(年率インフレ率)は3.6%からほぼ0%に低下し、ビットコインの1.7%を下回っている。

一方、ブロックチェーン分析企業IntoTheBlockによると、イーサリアムの発行量はゼロ以下となった。つまり、イーサリアムは、供給量が時間とともに減少していくデフレ型暗号資産となった。今、世界中の投資家は猛烈なインフレから資金を守ることができる資産を求めている。

イーサリアムのアウトパフォームは継続するか

イーサリアム・ビットコイン・レシオは先週10%上昇し、7月以来最大の上昇率を記録した。著名トレーダーらは、上昇トレンドは続く可能性があると語った。

「イーサリアムの年間発行量は急速に減少しているため、ビットコインをアウトパフォームし続けるだろう。取引手数料の燃焼メカニズムのために、オンチェーン・アクティビティの増加はイーサリアムを確実にデフレ領域に移し、価格にかなりの上昇効果をもたらすだろう」とValkyrie Investments(バルキリー・インベストメント)のリサーチ責任者、ジョシュ・オルゼヴィッチ(Josh Olszweicz)氏はCoinDeskに語った。

2021年8月、イーサリアムブロックチェーンは、取引手数料の一部を焼却(バーン)する仕組みを導入した。

オルゼヴィッチ氏が語ったように、ネットワーク使用の増加は、イーサリアム強気派に有利な需給ダイナミクスをさらに強めることになる。ethburned.infoによると、2021年8月初め以降、260万以上のイーサイリアム、86億5000万ドル相当が焼却され、流通から取り除かれた。

暗号資産ヘッジファンドLedger Primeの最高投資責任者、シリアン・タン(Shiliang Tang)氏は、イーサリアムのデフレの魅力は時間とともに強くなり、投資家を引きつけると語った。

「様子見となっている多くの資本は、現時点ではビットコインよりもイーサリアムのストーリーに引かれている」「イーサリアムのデフレ的な性質は時間とともに徐々に感じられるようになるため、ビットコインに対するリードを維持すると考えている」(タン氏)

さらにタン氏は「ビットコインは、現状の価格(2万ドル前後)でマイナーからの供給過剰に直面し続けるだろう」と付け加えた。

イーサリアムがPoSに移行したことで、市場は毎日のマイナーによる売りから解放された。マーケットメイキング大手のCumberland(カンバーランド)によると、イーサリアムマイナーは以前、1日あたり4000万ドル相当のイーサリアムを売却していた。

一方、ビットコインは依然としてPoWを採用している。マイナーは通常、定期的にビットコインを売却し、運営資金を調達している。

マクロリスクは根強い

イーサリアムのファンダメンタルズは継続的な上昇をもたらすだろうが、一方でマクロ経済の逆風に脆弱なままだ。

FRB(米連邦準備制度理事会)は11月2日、4回連続となる0.75%の利上げを実施すると同時に、その後の緩和的なアプローチを示すと期待されている。いわゆるFRBの引き締め緩和への転換に対する期待によって、暗号資産をはじめとするリスク資産に活気が戻った。

だが、金利は当面、高止まりするとのメッセージが出された場合、売り圧力が戻ってくる可能性がある。

FRBの主張を代弁するとして知られているウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス(Nick Timiraos)氏は週末に記事を公開し、消費者と企業が金融引き締めにあまり影響されなくなっているため、FRBはより長期にわたって高金利を維持する可能性があると述べた。FRBは今年これまでに金利を3%引き下げ、資産市場を揺るがしている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ultrasound.money
|原文:Ether Sees Biggest Weekly Gain in 3 Months, ETH-BTC Rally to Continue

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