「価値を失ったNFT」を収集するサービス、その狙いは?

2021年のブームの後、NFT取引の盛り上がりは沈静化した。暗号資産(仮想通貨)価格は大幅に低迷し、NFTに対するメインストリームの関心も薄れ、NFT価格は下落した。

しかし、長引く「暗号資産の冬」の中で、前向きな取り組みも生まれている。その1つが、タックス・ロス・ハーベスティング(tax-loss harvesting)──NFT愛好家がもはや価値のなくなったNFTを売却して損失を確定して収入を減らし、税金を減らすことをサポートするサービスだ。

Web3の廃品回収業者

先月スタートした「アンセラブル(Unsellable)」は、数ドル+ガス代(取引手数料)で価値のなくなったNFTを取得する。その名前の通り、売却価値のない、売れ残ったNFTを即座に流動化し、NFT投資家に損失を確定するための手軽な方法を提供している。

「Think of us as Web3 Junk Removal(Web3の廃品回収業者と考えてください)」とサイトには書かれている。データサイトのEtherscanによると、当記事執筆時点ですでに9300以上のNFTを購入している。

大手NFTマーケットプレイス「オープンシー(OpenSea)」の「TheUnsellableCollection」で見ると、当記事執筆時点、最も高価なNFTは2022年1月に3.6ラップドイーサリアム(wETH)超で販売された骸骨をテーマにしたNFT「Army of the Dead #78」。販売当時(イーサリアム価値が約3300ドルだった頃)は約1万2000ドルだったが、イーサリアムが急落した今、3分の1程度の約4330ドルの価値しかない。

アンセラブルが購入しているNFTの大半は派生プロジェクト、つまり、人気NFTプロジェクトの関連コレクションだ。例えば、Bored Ape Yacht Club(BAYC)の派生版「Anatomy Science Ape Club」、Goblintownの派生版「Baby Goblinz」などだ。

同プラットフォームの人気は、かつて利益をあげていたトレーダーが損失を減らそうとしているところにある。ほとんどのNFTと暗号資産の価格は、2021年12月〜2022年1月にピークを迎え、その後、価格は大きく下落した。NFT取引高も大幅に減少している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Tax-Loss Harvesting Platform Unsellable is Building ‘The World’s Largest Collection of Worthless NFTs