FTXが破産法申請、「暗号資産の冬」は2023年末まで長引く【11/12~11/18のトップニュース】

FTXが破産法申請、「暗号資産の冬」は2023年末まで長引く【11/12~11/18のトップニュース】

FTXの破綻は、暗号資産に対する投資家の信頼を間違いなく損なっており、回復にはしばらく時間がかかる──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

暗号資産ハッキング被害額、10月は今年最大に

最新のデータによれば、10月は今年に入って、暗号資産プロトコルに対する攻撃が最も盛んな月となり、約7億6000万ドルが盗まれた。

ブロックチェーンセキュリティ企業ペックシールド(Peckshield)によれば、2022年の暗号資産ハッキングの累計被害額は少なくとも29億8000万ドルと、すでに2021年の年間被害額の2倍を超えている。

FTXの保有残高、5日間で87%減少:データ

FTXからの引き出しはきわめて急速かつ猛烈で、FTXの暗号資産保有残高は5日間で87%減少したことがデータで判明した。

アーカムのデータによると、10月1日〜11月4日までのFTXの暗号資産保有残高は平均79億ドル、11月5日には84億ドルに達していた。その後、11月10日には11億ドルまで大幅に減少している。

FTXが破産法申請、バンクマン-フリードCEO辞任

FTXは11月11日、アメリカで連邦破産法11条(チャプター11)を申請したと発表した。アラメダ・リサーチ(Alameda Reaserch)を含め、約130社のグループ会社が対象となる。

共同創業者でCEOのサム・バンクマン-フリード氏も辞任したが、「秩序ある移行を支援する」という。後任のCEOには、ジョン・レイ3世(John Ray III)が就任。レイ氏はかつて、米エネルギー大手のエンロンの清算を指揮した人物。

FTX、アリーナ命名権の取り消しでマイアミ・デイド郡に約23億円の支払い義務

FTXは、つい最近まで「FTXアリーナ」と呼ばれていた施設(NBAマイアミ・ヒートの本拠地)を所有するフロリダ州マイアミ・デイド郡に1650万ドル(約23億円)を支払わなければならない。

FTXは昨年、アリーナの命名権を1億3500万ドル(約190億円)で取得、契約によると19年にわたって支払われる予定だった。また契約では、破産などで債務不履行に陥った場合、FTXは60日以内に3年分の契約料を支払うことになっていた。

11日遅く、郡とマイアミ・ヒートは、FTXの破綻を理由に関係を断ったと発表した。

FTXでハッキングか──被害軽減のために資金をコールドストレージに移動

FTX USの法務担当、ライン・ミラー(Ryne Miller)氏は、一連の「不正取引」を受けて、資金を移動させたと11月12日に述べた。

11日遅く、FTXから6億ドル以上の暗号資産が移動。直後にFTXは公式テレグラムでハッキングされたと述べた。オンチェーンデータを見ると、複数の暗号資産がFTXのウォレットから、1inchなどのDEX(分散型取引所)に移動している。

11日、FTXは連邦破産法の適用を申請していたため、ツイッターには内部関係者の関与を疑う声もあった。

バハマ警察、FTXを捜査

バハマ警察は11月13日、金融犯罪捜査局のチームがバハマ証券委員会と「緊密に連携」し、何らかの犯罪行為があったかどうかをが捜査していると発表した。

バハマ証券委員会はすでに10日にFTXの認可を停止し、資産の凍結を命じている。

ビットコインマイナーの保有残高が減少、10カ月ぶりの低水準に

ブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)によると、過去1週間でマイナーの保有残高は9402ビットコイン減少し、10カ月ぶりの低水準となる182万6000ビットコイン(約306億ドル、約4兆2700億円)となっている。

マイナーのネットポジションの変化、すなわちマイナーが保有しているビットコインの30日間の推移は11月10日、マイナス1万972ビットコインとなり、1月初旬以来の低水準となった。

ビットコインは11月13日までの1週間で22%下落し、6月以来最大の下げ幅となった。

スティーブ・ジョブズ氏愛用のサンダル、3000万円超で落札──NFTも付属

Appleの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が「日常的に履いていた」ビルケンシュトックのサンダルが11月13日、21万8000ドル(約3000万円)以上で落札された。

Julien’s Auctionsによると、サンダルはジョブズ氏が「Appleの歴史における多くの重要な瞬間」に履いていたもので、ポリゴン(Polygon)ブロックチェーンで発行されたNFTが付属している。

サンダルの落札予定価格は6万~8万ドルだったが、19件の入札があり、予定価格を大幅に上回った。

ビットコイン長期保有者、買い集めから売却へシフト──FTX崩壊で自信揺らぐ?

FTXの破綻によって「暗号資産の冬」は長引くだろうとの懸念が広がり、ビットコイン(BTC)長期保有者の決意が揺らいでいる。

「ホドラー(HODLer:長期保有者を表す俗称)の間には、ある程度の差し迫ったパニックが確かに起きている」とブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)は11月14日に発表したウィークリーレポートで述べた。

グラスノードのデータによると、長期保有者のビットコイン保有残高は11月6日以降、6万1500ビットコイン(約10億3000万ドル、約1440億円)減少し、6月末から11月初旬にかけて見られた買い集め傾向からシフトしている。

暗号資産ファンド、資金流入が増加──現状をチャンスと見る投資家も

コインシェアーズ(CoinShares)が11月14日に発表したレポートによると、暗号資産(仮想通貨)ファンドは11月11日までの1週間、4200万ドル(約58億8000万ドル)の純流入となり、過去14週で最大の流入額を記録した。

市場の低迷にもかかわらず、資金流入となったことは、投資家が「価格下落をチャンス」と捉え、「“信頼できる”第三者と本質的に信頼できないシステムを区別」していることを示しているだろうとコインシェアーズは述べた。

FTX、ハッキングは内部関係者か──ハッカーが残した「愚かな失敗」とは?

FTXは週末に4億ドルのハッキング被害にあったが、あるブロックチェーン専門家は、手掛かりはハイレベルな内部関係者の関与を示しており、身元が特定されたかもしれない失敗を残していると述べた。

「攻撃者は、コールドウォレットにアクセスできたようだ」とブロックチェーンセキュリティ監査企業ハッケン(Hacken)の共同創業者兼CEOのディマ・ブドリン(Dyma Budorin)氏は11月14日、CoinDesk TVで語った。

FTXのハッカーはパニック? 計画性は見られない:アーカム・インテリジェンス

FTXのハッキングは内部関係者の可能性が疑われており、ハッカーは11日遅くに流出させた約3億3900万ドルの暗号資産を保有していると、ブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)は11月14日に述べた。

ブロックチェーンでの行動を見ると、ハッカーは慌てて行動したとアーカムは述べた。ユニスワップ(UniSwap)やワンインチ(1inch)など、複数のDEX(分散型取引所)を使って暗号資産を変換したという。

ナイキ、Web3プラットフォーム「.SWOOSH」発表

ナイキ(Nike)は、デジタルウェアラブルのコミュニティ構築を目的とした新プラットフォーム「.SWOOSH」の発表、Web3にさらなる一歩を踏み出したと11月14日に述べた。

.SWOOSHはWeb3教育のためのリソースであり、バーチャルスニーカーやジャージなどのデジタルコレクションを売買するためのプラットフォームだという。デジタルコレクションはビデオゲームやメタバースの中で着用できると同社は述べた。

ブロックファイ、破産申請を準備か:WSJ

暗号資産(仮想通貨)レンディングのブロックファイ(BlockFi)が、破産申請の準備を進めているようだとウォール・ストリード・ジャーナルが11月15日に伝えた。破綻した暗号資産取引所FTXへの影響が広がっているようだ。

ブロックファイは資産の大部分がFTXにカストディ(保管・管理)されているとの噂を否定したが、FTXに資産を預け入れていることや、FTXが同社に対する債務を負っていることなどを14日、認めていた。

「暗号資産の冬」は2023年末まで長引く:米コインベース

FTXの破綻は、5月から6月にかけての大幅なレバレッジ解消後に出現したポジティブな状況を脱線させた。暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)は11月15日、レポートで述べた。

新たな混乱と買い手不足によって暗号資産市場は脆弱になり、すでに長引いている「暗号資産の冬」がさらに長引く可能性が高いという。

FTX崩壊とビットコイン相場の行方【bitbankチャート分析】

先週のビットコイン週足は大陰線を記録した。下落率は26.0%となり、年初来安値を更新。現在は235万円近辺で取引されている。先々週まで6週連続で陽線を記録し、底堅く推移していたが先週で相場が一気に崩れた。

週足も移動平均線の上位から下位へと転落した。ビットコインは昨年の最高値から続く下落トレンドラインを超えることができず、安値を切り下げる結果となった。テクニカルは明確に弱気に傾き、相場の弱気トレンドが顕著化した。

LINE、NFTのグローバルサイトでユーザー間取引を開始──イーサ決済スタート

LINEがグループ会社を通じて運営するNFTのグローバル取引プラットフォームは、ユーザー間で取引できるサービスをスタートさせ、イーサリアムブロックチェーンのネイティブトークン「イーサリアム(ETH)」での決済対応を開始した。

同プラットフォーム「DOSI(ドシ)」は、日本を除く180カ国・9カ国後に対応するNFTの取引サービス(ベータ版)で、LINE NEXT Incが今年9月に運営を開始。LINEが11月15日に発表した内容によると、クレジットカードや「NAVER Pay」などのキャッシュレス決済に加えて、今回新たにイーサリアム決済を導入した。

ニューヨーク連銀と大手銀行、ホールセールCBDCをテスト

大手銀行とニューヨーク連邦準備銀行は、デジタルトークンを銀行と中央銀行との決済に活用するためのテストを開始する。

シティグループ、HSBC、BNYメロン、ウェルズ・ファーゴなどの大手銀行と、決済大手のマスターカード(MA)が参加するとニューヨーク連銀が11月15日に発表した。

オーストラリア証券取引所、ブロックチェーンシステムへのリプレースをキャンセル──損失は200億円以上

オーストラリア証券取引所(ASX)は、大幅に遅延していた決済機関電子登録システム(CHESS)のブロックチェーンシステムへのリプレースをキャンセルした。

ASXは、決定は「ソリューションの不確実性を考慮」して行われ、損失は2億5000万オーストラリアドル(約1億6800万ドル、約235億円)にのぼると11月15日、声明で述べた。

DeFi人気が急上昇──中央集権型取引所は大規模な純流出

ブロックチェーン分析企業のナンセン(Nansen)によると、ほとんどのDeFiプロトコルは過去7日間にユーザーとトランザクションが10%以上増加し、FTX崩壊後に活況を呈している。

例えば、コスモス(Cosmos)ブロックチェーン上のDEX(分散型取引所)、dYdXはユーザーが99%、トランザクションが136%増加した。

この状況は、暗号資産にも反映されている。FTX破綻の影響を受けて15日までの1週間、DeFiセクターの暗号資産のほとんど(88%)が下落したにもかかわらず、暗号資産dYdX(DYDX)の価格は77%上昇した。

ジェミニ、700億円近い純流出

ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟が設立した暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)は、FTX/アラメダの破綻とその後の影響に暗号資産業界が格闘しているなか、大規模な引き出しに苦しんでいる。

ブロックチェーン情報企業ナンセン(Nansen)によると、ジェミニは過去24時間で4億8500万ドル(約680億円)の純流出となった。これは取引所の中で最大規模(流入額は7800万ドル、流出額は5億6300万ドル)。過去7日間では、6億8200万ドル(約950億円)の純流出。引き出しの大部分は16日に発生した。

エルサルバドル大統領とトロンのサン氏、11月17日から1日1ビットコイン購入

エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領と、トロン(Tron/TRX)創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏は11月17日から1日1ビットコイン(BTC)を購入していく。

「我々は明日から毎日、1ビットコインを購入していく」とブケレ大統領は11月16日深夜、ツイッターに投稿した。その直後、サン氏もブケレ大統領を真似て、同様の計画を発表した。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock

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