米暗号資産取引大手コインベース（Coinbase）は2月23日、新規ユーザー獲得を目指して、レイヤー2ブロックチェーン「Base」のテストネットの運用を開始した。だが、ツイッター上には苦情や批判が寄せられ、そのスタートは決して順調ではないようだ。
Baseは、イーサリアムブロックチェーンのレイヤー2ソリューションであるオプティミズム（Optimism）の開発者向けツールキット、OP Stackを使って構築されている。イーサリアムのみならず、オプティミズムなどのレイヤー2ブロックチェーンや、ソラナ（Solana）などのレイヤー1ブロックチェーンへの簡単で、安全なアクセス、いわゆるブリッジ機能を提供する予定だ。
つまり、Baseは開発者をコインベースのビジネスに取り込む新たな戦略に欠かせないものであり、特に取引高が低迷し、四半期決算が厳しいものだっただけにきわめて重要な意味を持つ。
しかしテストネットのスタートからわずか数時間で、ネットワークには問題が発生し、ユーザーは不満をツイッターに相次いで投稿した。
base’s bridge is off to a rough start, every single transaction reverting and the bridge contract is unverified so nobody can figure out what’s going on pic.twitter.com/2MiFZrMNfj
— foobar (@0xfoobar) February 23, 2023
「Baseのブリッジは、問題の多いスタートとなっている。すべてのトランザクションが元に戻り、ブリッジコントラクトが検証されていないため、何が起きているのか誰も把握できない」とツイッターユーザーの@0xfoobarは、Etherscanのスクリーンショットを投稿して述べた。
コインベースによると、テストネットの不具合はウォレットの問題によるもので、トランザクションの実行に必要なガス代（取引手数料）を誤って見積もったことが原因という。
ガス代が足りなかったため、Baseはトランザクションを処理するのではなく、元に戻した。
「ブリッジコントラクトは負荷がかかるとガス代を上昇させるが、ウォレットはそれを適切に見積もっていなかった」とコインベースのソフトウェアエンジニア、ロベルト・バヤルド（Roberto Bayardo）氏はリリースから数時間後にツイートしている。
バヤルド氏によると、多くのユーザーの殺到したことも、不具合の原因となった可能性があるという。
コインベースは、開発者たちが手がける製品にBsaeを組み込み、暗号資産を直接やりとりできるようにしたいと考えている。コインベースのエコシステムの約1億1000万ユーザーと800億ドルの資産をターゲットにしている。
｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：増田隆幸
｜画像：Shutterstock
｜原文：Coinbase’s New Layer 2 Blockchain, Base, Has Rocky Rollout
