OKX、野村HDが出資するカストディサービス「Komainu」を採用

取引高で世界第2位の暗号資産(仮想通貨)取引所であるOKXは、カストディサービスの「Komainu」(コマイヌ)を利用し、機関投資家が暗号資産を野村ホールディングスの支援を受けたカストディアンに保管しながら、その資金を使って取引所で取引できるようにした。

この提携は、垂直統合型の暗号資産取引所が伝統的な金融を模倣し、サードパーティのカストディアンを使って業務を分離することで、FTXのように破綻することを回避する方法を示すものだ。

OKXは、コールドストレージ、マルチパーティ計算(MPC)、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)を組み合わせて24時間365日の取引を提供する、機関投資家向けの認可された決済・保管システムであるKomainu Connectを使用する最初のクライアントになった。

「Komainuのカストディウォレットに預けられた資金は、Komainuの担保ウォレットに移動し、OKXのアカウントにリンクされる」とOKXのチーフ・コマーシャル・オフィサーのレニックス・ライ(Lennix Lai)氏は電子メールで米CoinDeskに述べた。「OKXの口座は残高を反映し、OKXの700以上のスポットおよびデリバティブ市場において活発な取引を可能にする」。

OKXが可視化するKomainu Connectの担保ウォレットは、機関投資家レベルの三者間口座変更契約にリンクされているとKomainuの戦略責任者であるセバスチャン・ウィドマン(Sebastian Widmann)氏は説明した。

「カストディアンのKomainuと流動性プロバイダーであるOKX、そしてクライアントの三者間に法的契約が存在する」とウィドマン氏はインタビューで述べている。「これにより、Komainuは決済要件を引き受け、Komainuのクライアントは取引所で直接取引できるようになる」。

OKXは、Komainuに移管される預かり資産額の詳細については明らかにしなかったたが、ライ氏は「かなりの額」であり、両社が機関投資家向け商品の提供を強化するにつれて、その額は増加する見込みだと述べている。

「我々の立場は、ユーザーに提供するソリューションが多ければ多いほど良いというものだ。我々は取引所内、取引所外、第三者のバランスミラーカストディのソリューションを提供している」とライ氏は述べている。

Komainuは、野村ホールディングス、デジタル資産管理のコインシェアーズ(CoinShares)、ハードウェアウォレットメーカーのLedgerのジョイントベンチャーとして2020年に発足した。英ジャージーとドバイで認可を受け、ロンドン、ダブリン、シンガポールにオフィスを構えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:OKX Chooses Nomura-Backed Crypto Storage Firm Komainu as Custodian