ブラックロックのビットコインETF申請でショートトレーダーは1600万ドル失う

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)によるアメリカでのビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)申請への期待が、6月16日の早い時間に市場の動きにわずかな変化をもたらし、一部のトレーダーの間で強気の見通しを助長した。

15日、米Coindeskは、ブラックロックが暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)をカストディアンとするビットコインETFを提供する計画だと報じた。同社のiシェアーズ(iShares)ファンド運用部門がビットコインETF組成のための書類を提出したことを示すファイリングがあり、後に提出が確認されたのだ。

「推定20%のアメリカ人がビットコインを所有したことがある。ブラックロックの提案するETFは、残りの80%の人々に、より身近で利用しやすい選択肢を提供する可能性がある」とCFベンチマークス(CF Benchmarks)のCEO、スイ・チュン(Sui Chung)氏は米CoinDeskに電子メールで述べている。「ブラックロックの関与の拡大は、ビットコインが世界最大の金融機関の一部にとって関心のある資産であり続けていることを示している」。

ビットコインは16日の早い時間に2万5500ドルのレベルまで急速に回復し、2万4860ドルまで下落した過去2日間の損失を帳消しにした。この動きは、ポリゴンネットワーク(Polygon Network)のMATICやカルダノ(Cardano)のADAなどの主要トークンにも影響を与え、2日間の下落からの損失を和らげるように名目上上昇した。

その他にもドージコイン(DOGE)は一時4%上昇する動きを見せて主要トークンの上昇をリードし、ライトコイン(LTC)も3.3%上昇した。

このようなビットコインの強さによってBTCに連動する先物が過去24時間に1600万ドル(約22億5300万円)以上のショート清算を行ったことで、この資産に対するベットに影響を与えた。ただし、この数字は通常より少なかった。過去1週間の大幅な下落によって、一部のトレーダーが通常より少ない資金でベットしていたからだ。

アメリカ証券取引委員会(SEC)はこれまで、グレイスケール(Grayscale)、ヴァンエック(VanEck)、ウィズダムツリー(WisdomTree)といった投資会社によるビットコインETFのスポット上場の申請を却下している。

しかし、知名度の高いブラックロックの申請をSECが却下するのは難しいかもしれない。この申請が承認されれば、ビットコインの異常なまでの上昇を促進するかもしれないと言う人もいる。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Shorts Lose $16M as BlackRock ETF Filing Sparks Bullish Outlook