「改ざんできない」ブロックチェーンが変える“データの価値”とは──デジタルグリッド、Nayuta代表ら登壇【b. tokyo】

「データは21世紀の石油」──。

インターネットの出現以降、データの重要性に対する認識は年々高まっている。ビックデータやAIによる機械学習、IoTのセンシングなど、さまざまなテクノロジーが発達してきた。そして、増幅の一途をたどるデータにさらなる価値をもたらすと期待されているのがブロックチェーンである。

その技術において最も注目されているのが「改ざんできない」という特性だ。改ざんできないがゆえに、あらゆるトランザクション(取引)に信頼を担保することができる。

本セッションでは、各スピーカーが取り組むさまざまなユースケース(事例)を紹介しながら、ブロックチェーンがもたらす新たなデータの価値について議論する。

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阿部力也氏(デジタルグリッド代表取締役会長・最高技術責任者)

阿部 力也氏(デジタルグリッド代表取締役会長・最高技術責任者)

“電力のインターネット化”などと形容される「デジタルグリッド」の仕組みを2009年に考案した阿部氏。電源開発株式会社(現J-POWER)を経て2008年には東京大学工学系研究科特任教授に就任していたが、2017年に同大学を退官して現デジタルグリッド社を設立した。事業の柱は、ブロックチェーン上のスマートコントラクトで電力取引と環境価値取引を行うプラットフォーム運営。発電、消費、売買の履歴をブロックチェーンに記録することで、再エネ由来の電力を「指名買い」できるのが特徴だ。著書に『デジタルグリッド』(エネルギーフォーラム)。1953年福島県生まれ。東京大学工学部電子工学科卒。

栗元憲一氏(Nayuta 代表取締役)

栗元 憲一氏(Nayuta 代表取締役)

ブロックチェーン関連のソフトウェア・ハードウェア開発企業で、現在はライトニングネットワークのプロトコル開発からアプリケーション開発まで手掛けるNayuta(福岡市)のCEOを務める栗元氏。先端SoC(SystemOnChip)のアーキテクチャ設計、回路設計、EDAソフトウェアアルゴリズムの研究開発に15年以上、取り組んだ後、2011年以降にAndroidとハードウェアを組み合わせたIoT開発を行う。その最中にブロックチェーンとIoTの組み合わせに可能性を感じ、ブロックチェーンの研究を開始したという。

高橋恒樹氏(ソニー・グローバルエデュケーション未来教育事業部 ブロックチェーンプロジェクトリーダー)

高橋 恒樹氏(ソニー・グローバルエデュケーション未来教育事業部 ブロックチェーンプロジェクトリーダー)

ソニーでクラウド開発・運用を担当した後、2016年からはソニー・グローバルエデュケーションで、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV」など主要サービスのクラウド基盤構築・運用に従事。2017年より教育領域へのブロックチェーン技術適用に携わっている。同社は、教育分野へのブロックチェーンの活用に関する取り組みでは同社は先駆者的な存在。高橋氏もブロックチェーンおよび教育関連のセミナー、シンポジウムなどに講師として多数登壇している。CoinDesk Japanのインタビューで「ネットワークを通じて、世界でスケールできる教育サービスを提供していきたい」と述べる高橋氏が実現しようとしている未来とは──。

沼澤健人氏(Aerial Partners代表取締役)

沼澤 健人 氏(Aerial Partners代表取締役)

暗号資産にかかる会計・税務サポート事業を手がけるAerial Partnersを2017年に創業し、代表取締役を務める沼澤氏。同社創業以前は、KPMG有限責任あずさ監査法人を経て、アプリやコンテンツ制作を行うTaskeyを創業。その傍ら仮想通貨交換業者のサポートなどを行うAtlas Accounting代表を務め、ALISなど複数のブロックチェーンプロジェクトや仮想通貨交換業者、インキュベーターのアドバイザーを歴任した。仮想通貨税務に関する実務的知見を活かし、一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA) 税制検討部会長、一般社団法人 日本仮想通貨税務協会(JCTA)理事なども務め、CoinDesk Japanのインタビューでも仮想通貨税務協会立ち上げの経緯などを語っている。Twitterで“二匹目のヒヨコ”として盛んに情報発信している。

モデレーター:椎名茂氏(KPMGコンサルティング 執行役員 パートナー)

椎名茂氏(KPMGコンサルティング 執行役員 パートナー)

グローバル経営戦略の立案支援、デジタル戦略とイノベーション支援、AI・ビッグデータの経営への利活用などプロジェクトを多数、実施している。現在もAI専門家兼経営コンサルタントとして各方面で活躍している。現職に就く前は、大手電機メーカー研究所にて人工知能を研究、大手外資系コンサルティング会社日本法人社長を経て、AI&クラウドのデザインファームを設立している。

あらゆる事象がデータ化される時代だからこそ重要な「改ざん耐性」

ブロックチェーンには非中央集権・分散型、ゼロダウンタイム、トレーサビリティなどいくつもの特徴があるが、本セッションで注目する特徴は改ざん耐性だ。

トランザクションが格納されるブロックには、前のブロック情報のハッシュ値が含まれ、データが少しでも改ざんされると、それ以降のブロックに含まれる情報をすべて変更しない限り整合性が取れない。ノードの過半数が協調しない限り変更できないため、あるノードが恣意的に改ざんしようと思っても現実的には難しい。

企業の活動、消費者の行動など、私達の身の回りのあらゆる事象がデータ化され、日々、分析されている現在、データの価値は日に日に高まっている。そこで重要な前提は、データに信ぴょう性があることだ。いくら“それらしい”データ、数値があっても、虚偽があれば、その分析は意味がないどころか、まったく意図しない、不幸な結果をもたらす。

本セッションでは、複数の分野でブロックチェーンに関わる登壇者がそれぞれの経験・ユースケースを披露しながら、改ざんできない特性を持つブロックチェーンがもたらすデータの新しい価値について考察する。

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【日時】2019年10月2日(水)・3日(木) 9:30〜18:45 (予定)

【場所】ホテル雅叙園東京

【URL】https://navenue.jp/btokyo2019/

【参加対象】ベンチャー企業/スタートアップ関係者、VC/CVC関係者、金融/IT/メディア/自動車/エンターテイメント/ゲーム/教育/アート/不動産/エネルギー企業関係者、経営企画/研究開発部門担当者、自治体産業推進担当者、一般投資家など

【メディアパートナー】CoinDesk Japan、WIRED Japan、日本経済新聞

【コミュニティパートナー】一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)、一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)、一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)、一般社団法人Fintech協会、一般社団法人日本セキュリティトークン協会(JSTA)、ブロックチェーンハブ、CryptoBowl、FINOLAB、HashHub、Neutrino、金色財経

【動員数】3000人(見込み・2日間合計)

【参加申込】上記WEBサイトからチケットを購入

文・編集:CoinDesk Japan
写真:N.Avenue