ビットコインは3万ドル以下で停滞、ドージコインは7%急騰

FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ再開が予想されるため、26日のアジア市場でビットコイン(BTC)は3万ドル(約420万円、1ドル140円換算)をわずかに下回る水準で推移している。一方ドージコイン(DOGE)は、イーロン・マスク(Elon Musk)氏のTwitter(「X」に改称)での最近の動きがミームコインに与える影響に楽観的な見方が広がり、7%急騰した。

ビットコインは金利や報道で停滞

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)によるビットコインETF(上場投資信託)申請が規制当局の承認を得れば、従来の金融商品の投資家が持つ多額の資金がデジタル資産に注ぎ込まれる可能性があるという見方が広まったことにより、ビットコインは約1カ月前に3万ドルを超えた。しかし、7月26日に迫ったFRBの決定に対する懸念もあり、それ以来その水準付近で停滞している。

ビットコイン価格は記事執筆時点で約2万9140ドルで、24時間前と比べて0.2%上昇した。

米CoinDeskとGenesisの元リサーチ責任者であるノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は25日のニュースレター「暗号資産はマクロ」の中で、「インフレと金利をめぐる懸念によって暗号資産の上値が抑えられている可能性がある」と指摘した。

バイナンスのCZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)CEOが個人的な会話の中で、暗号資産取引所の関連会社が数年前にウォッシュトレード(仮想取引)を行っていたことを示唆したとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことを受けて、ビットコインは24日に一時2万9000ドルを下回り、6月以来の安値となった。さらに、中国の政策立案者らは経済回復に紆余曲折が予想されると警鐘を鳴らした。

アチェソン氏は24日のビットコインの下落について、「急激で、通常はプログラムによる売りを示唆している」と指摘。「こうした状況からは通常比較的早く回復するが、ビットコインの新たな安値水準が持続しているようで、ポジションを取る準備ができている新規の買い手がまだ十分にいないという考え方を裏付けている」と述べた。

ドージコインは急騰

ドージコインは最近0.08ドル(約11.2円)以上の水準で推移している。4月以来で初めて24日にこの水準を上回った。25日には、イーロン・マスク氏によるTwitterの大胆な改革により、人気のミームコインやその他の暗号資産の利用が拡大する可能性があることを示唆する記事をCoinDeskが発表した後、価格が急騰した。

マスク氏はTwitterを買収する前からさまざまな発言でドージコインに特別な関心を示しており、価格を押し上げている。Web3企業BDE VenturesのCEO兼創設者であるブライアン・D・エヴァンス(Brian D. Evans)氏はCoinDeskに対し、「イーロン氏は、明らかにドージコインに親近感を持っている。ほとんどジョークとして言われていることだが、実際にドージコイン経由で支払いできるようにすることに乗り出したとしても驚かない」と述べた。

イーサリアムは0.4%上昇

イーサリアム(ETH)は最近、24時間前と比較して0.4%上昇し、約1850ドル(約25万9000円)で推移している。他の主要なアルトコインでは、エックス・アール・ピー(XRP)が1.3%、ソラナ(SOL)が0.9%上昇した。

マーケット全体の動きを示すCoinDesk Market Index(CMI)は最近0.3%上昇した。一方、CoinDesk Indicesのビットコイン・トレンド・インジケーター(BTI)とイーサリアム・トレンド・インジケーター(ETI)は中立のシグナルを示しており、上昇シグナルで安定していた今月初めからは悪化した。

デジタル資産プラットフォームYield Appのティム・フロスト(Tim Frost)CEOはCoinDeskに対し、アメリカの住宅価格上昇が、米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内に利上げを継続する理由になる可能性があると指摘。一部の投資家はFRBのタカ派的発言に賭けて利益確定しているのかもしれないと述べた。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:CoinDesk Indices
|原文:Bitcoin Stuck Below $30K Before Likely Fed Rate Hike, While DOGE Spikes 7%