「強気の罠」懸念でビットコイン上昇が停止──イーサリアムとソラナが19カ月ぶり高値更新
  • ビットコインが4万3000ドルまで下落する中、イーサリアムとソラナは2023年の高値を更新した。
  • ビットコインでは「強気の罠」が懸念されており、懸念が強まるにつれてビットコイン価格が5万ドルに押し上げられる可能性があるとサンティメントは指摘した。

ビットコイン(BTC)の上昇は7日にストップ。代わりには19カ月ぶりの高値に急騰したイーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)が暗号資産市場の上昇を牽引した。

ビットコインは今週これより前に4万5000ドル(約652万5000円、1ドル145円換算)近くまで猛烈な上昇を見せた後、7日に4万3000ドルまで下落したが、これはビットコインが1週間前に3万8000ドルを突破して以降トレーダーが一部を利益確定したことを示唆している。本記事執筆時点では、ビットコインは約4万3300ドルで推移し、過去24時間で1.1%下落した。

イーサリアムとソラナは2022年5月以来の高値

一方、イーサリアムは同期間で5%急騰し、2022年5月以来の高値となる2372ドルに達した。

イーサリアムの上昇により、イーサリアムに関連する他の暗号資産の価格が上昇し、7日に上位のパフォーマンスを記録した。イーサリアムクラシック(ETC)は6%上昇し、リキッドステーキングプロトコルLidoのガバナンストークンであるリドダオ(LDO)は11%以上上昇した。

イーサリアムスケーリングネットワークであるオプティミズム(Optimism)のOPとアービトラム(Arbitrum)のARBもこの日にそれぞれ22%、9%上昇した。

ソラナは、11月中旬につけた高値から3週間の冷え込みを経て8%超急騰。2022年5月以来の高値となる69ドルに達した。暗号資産投資家で暗号資産取引所ビットメックス(BitMEX)の創設者であるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は5日にX(旧Twitter)で、アルトコインが週末に強気になるとの予測を示し、目標価格が100ドルであるとほのめかした。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は0.6%上昇した。

ビットコインの「強気の罠」を懸念

ブロックチェーンデータ企業サンティメント(Santiment)は、ビットコインの価格が横ばいになっているのは、トレーダーの間で「強気の罠」(大規模な下落トレンドの前に投資家を市場に引き戻す短期的な上昇相場)を求める声が高まっているのと一致していると指摘した。

サンティメントは7日、ソーシャルメディアの指標を引用し、「トレーダーは暗号資産市場が現時点で強気の罠に陥っているのではないかと懸念している」と指摘した。

サンティメントは、疑念の高まりがビットコインを5万ドルに向けてさらに押し上げ、価格下落に賭けている空売り層を圧迫する可能性があると指摘。「FUD、つまり恐怖、不確実性、疑念(Fear, Uncertainty and Doubt)が高まれば、ビットコインは5万ドルにまで上昇する可能性がある」と指摘した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Ether, Solana Hit 19-Month Highs as Bitcoin Rally Halts with Traders Fearing ‘Bull Trap’