アスター、レイヤー2「Astar zkEVM」をローンチ──Web3キラーユースケースの創出目指す

渡辺創太氏が率いるパブリックブロックチェーンのAstar Network(アスターネットワーク)は3月6日、イーサリアム・レイヤー2「Astar zkEVM」をローンチしたと発表した。

Astar zkEVMは、イーサリアムのセキュリティや開発環境を継承しながら、高速処理・安価な取引手数料を実現し、暗号資産(仮想通貨)やNFTのクレジットカード決済などの拡張ツールも実装した「誰もが使いやすい」レイヤー2ネットワーク。世界トップクラスのインフラ・アプリケーションをローンチ当初から兼ね備え、日本を含むアジア地域からWeb3のキラーユースケースの創出、企業やブランドのWeb3誘致を目指すという。

リリースによるとAstar zkEVMは、ゼロ知識証明(zk)技術を活用し、イーサリアム(ETH)やERC20トークンをイーサリアムブロックチェーン上と近い体験で扱うことを可能にする。取引手数料(ガス代)は、イーサリアムと比較して約95%〜98%削減され、他のレイヤー2と比較しても安価。また、EVM等価性(同等性)を有し、既存のスマートコントラクトや開発ツール、ウォレットが容易に対応できるようになっている。

日本においては、すでに博報堂とJALのプロジェクト「KOKYO NFT」や、デロイトトーマツとスポーツ省の実証実験、トレーディングカードRWAプラットフォームのPACKS、秋元康氏が総合プロジュースを務めるアイドルプロジェクト「YOAKE」など、さまざまなプロジェクトがAstar zkEVMの採択を発表している。

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Astar zkEVMは、ポリゴンラボ(Polgyon Labs)が開発・提供する「Polygon CDK」を利用。ポリゴンが掲げる「Polygon2.0」のビジョンのもと、日本や韓国をはじめとするアジア諸国でWeb2とWeb3の架け橋になる役割を担うとしている。

アスターネットワークの創設者、渡辺創太氏はリリースで次のように述べている。

「Astar zkEVMのローンチにより、Ethereumのエコシステムにも進出することで、先進的な技術や世界レベルの開発者向けのインフラプロジェクトを取り入れることができるようになりました。これによりWeb3全体の課題であったUXを向上させ、キラーユースケースの創出を促進していきます。Astar Networkはエンターテインメントや金融を含む全ての産業でWeb2とWeb3の架け橋となり、『日本のWeb3開発における最も主流なブロックチェーン』にしていきます」

また、ローンチを記念して、Astar zkEVMとそのエコシステムを体験するためのローンチキャンペーン「Yoki Origins」を3月7日から開催。妖怪をモチーフとしたオリジナルキャラクターのYokiを集め、育てていくキャンペーンで、日本のプロジェクトだけでなく、世界を代表するプロジェクトも参加することが決まっているという。

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより