「ゼロ知識証明」をスケーリングに活用したスタートアップ企業、200万ドルを調達

「ゼロ知識証明」をスケーリングに活用したスタートアップ企業、200万ドルを調達

イーサリアム・ブロックチェーンのスケーリングに特化した取り組みは数多い。イーサリアム2.0(Ethereum 2.0)、プラズマ(Plasma)、ライデン(Raiden)、zk-スナークス(zk-SNARKs)など、数々ある。

9月23日(現地時間)、ブロックチェーン研究開発のスタートアップ「マーター・ラボ(Matter Labs)は、イーサリアム・ブロックチェーン上で新たなスケーリングの取り組みを展開するために、200万ドル(約2億2000万円)を調達したと発表。シードラウンドはプレースホールダーVC(Placeholder VC)が主導した。

この取り組みの目標について、マーター・ラボの共同創業者アレックス・グルチャウスキー(Alex Gluchowski)氏は以下のように述べた。

「我々の製品は、分散化やセキュリティを犠牲にすることなく、(現在のイーサリアムよりも)よりスケーラブルになる。どんな資金でも預けることができ、イーサリアム自体に預けることと同じくらい安全になる」

マーター・ラボの技術は、ゼロ知識証明(zero-knowledge proofs:ZKPs)と呼ばれる新しい暗号化形式に基づいている。グルチャウスキー氏が「数学的な魔法」と呼ぶこの形式を活用することで、イーサリアム上のトランザクションは著しくスピードアップし、導入がより安価になる可能性がある。

「我々が構築しているものを使えば、(イーサリアム上の)支払いは、極めて安価になり、スループットも非常に高くなる」とグルチャウスキー氏は述べた。

「極めて安価なだけではなく、費用の大部分はゼロ知識証明の計算から発生するため、将来的にも安価になる」

同時にグルチャウスキー氏は、イーサリアム上でゼロ知識証明をスケーリングソリューションとして活用する研究は、まだ「非常に初期の段階」とCoinDeskに語った。現時点でマーター・ラボはスケーラブルな支払いプラットフォームのプロトタイプを構築しており、数カ月以内に最小限のプロダクトの完成を目指す。

投資家のバックアップ

1kx、デクリプト(Dekrypt)、ハッシュド(Hashed)、ドラゴンフライ・キャピタル・パートナーズ(Dragonfly Capital Partners)といった数多くのベンチャー・キャピタルが、プレースホールダーとともに資金調達ラウンドに参加した。

ハッシュドのCEO兼マネージングパートナー、サイモン・ソジュン・キム(Simon Seojoon Kim)氏はCoinDeskに以下のように語った。

「オンチェーン・データの可用性と、マーター・ラボのチームが構築しているスケーリング・ソリューションはこの分野(イーサリアムの分散型金融分野)の成長を加速させる不可欠な要素になると我々は確信している」

また、デクリプトの共同創業者ハワード・ウー(Howard Wu)氏は、ZKPを用いることでイーサリアム上の「数十万もの取り引き」を簡潔で検証可能な証明としたことは「イーサリアムにスケーラビリティをもたらす方法として本当に素晴らしい」と付け加えた。

2018年12月に正式に設立されたマーター・ラボは、イーサリアムのプロトコル開発に専念する最古の非営利団体であるイーサリアム財団(Ethereum Foundation)から資金提供も受けている。

グルチャウスキー氏は、マーター・ラボは2019年、イーサリアム財団から「複数の助成金として、10万ドル(約1100万円)以上を受け取った」と述べた。

翻訳:石田麻衣子
編集:増田隆幸
写真:Matter Labs R&D Head Alexandr Vlasov image via Medium
原文:Startup Bringing Zero-Knowledge Proofs to Ethereum Raises $2 Million

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