イーサリアム相場が乱高下──SECの承認をめぐり3億5000万ドルの清算が発生

イーサリアム現物ETF(上場投資信託)をアメリカの規制当局が承認するかどうかをトレーダーらが神経をすり減らして注視する中、23日に暗号資産市場は乱高下した。

最終的な承認に至るまでの緊迫した時間に、イーサリアム(ETH)はまずアメリカの伝統的市場のクローズ時間頃に3500ドルまで下落し、その後承認に関する最初の未確認の報道があったことで3900ドル(約60万4500円、1ドル155円換算)近くまで急騰した。承認後は最終的に3800ドルを超える水準で落ち着いた。

ビットコイン(BTC)も同様にせわしない展開を迎えた。まず6万6000ドル台前半まで下落し、その後6万8300ドルまで急騰した後、6万8000ドルを下回った。比較すると、イーサリアムのパフォーマンスの方が堅調だ。イーサリアムは過去24時間で1.5%上昇し、同時期のビットコインの約3%下落を上回っている。取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)はこの日1.6%下落した。

この不安定な状況下で、CoinGlassのデータによると、レバレッジをかけたデリバティブポジション全体の清算額はこの日3億5000万ドル(約542億5000万円)以上に急増し、5月1日以来の最高となった。

消滅したポジションの大部分は価格上昇に賭けたロングポジションで、約2億5000万ドル相当。過剰なレバレッジをかけたトレーダーが突然の価格急落に不意を突かれたことが示された。イーサリアムトレーダーが最大の打撃を受け、1億3200万ドルの清算が発生した。続いてビットコインで7000万ドルの清算が発生した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Wild Bitcoin, Ether Price Swings Amid Spot ETH ETF Decision Triggers $350M Liquidations
※編集部より:タイトルを修正して更新しました。