急拡大のインドネシア市場を狙う──機関投資家向けウォレット企業、セルフカストディ・ウォレットを提供

暗号資産(仮想通貨)およびDeFi(分散型金融)ウォレット・プロバイダーのフォーデフィ(Fordefi)は5月29日、現地の暗号資産取引プラットフォームのピントゥ(Pintu)のWeb3ウォレット提供を支援することで、急成長するインドネシア市場に進出すると発表した。

これは、主にパンテラ・キャピタル(Pantera Capital)やマーケットメーカーのキーロック(Keyrock)といった機関投資家が利用している同社サービスを、取引所や個人投資家にサービスを提供する金融プラットフォームに導入するという同社の計画の一環だ。

ピントゥの2000万人のユーザーは、自身のデジタル資産をセルフカストディし、バックエンドにフォーデフィの技術を持つ分散型アプリケーションにアクセスできるようになり、取引シミュレーションやリスク・アラートなどのセキュリティ機能の恩恵を受けることができる。

フォーデフィは、単一の秘密鍵を複数の関係者に分割し、単一障害点を排除するMPC(multi-party computation)を備えたセルフカストディ・ウォレットで、暗号資産をより安全にすることを目指している。MPCウォレットはハッキングされにくく、DeFiアプリとのやり取りをよりリスクの少ないものにする。

同社は、パンテラ・キャピタル、ディファイナンス・キャピタル(DeFiance Capital)、キーロック、フレア・ネットワーク(Flare Network)といった機関投資家にウォレットサービスを提供。また今年初めにはエレクトリック・キャピタル(Electric Capital)の主導で、VC投資家から1000万ドルを調達した。

「個人投資家向けのセキュリティやガードレールの欠如が、Web3の普及を妨げてきた」とジョシュ・シュワルツ(Josh Schwartz)CEOは述べた。

「フォーデフィを利用することで、個人投資家は、市場で最も洗練された機関投資家が利用しているのと同じセキュリティ・インフラを活用できる」

|翻訳・編集:Yuta Takahashi
|画像:Fordefi
|原文:Crypto Wallet Firm Fordefi Expands in Indonesia Powering Pintu Web3 Self-Custodial Wallet