セレブが相次いでミームコイン発行、業界にとってマイナスと懸念の声も
  • ニッチな世界のセレブたちが最近、ソラナ(Solana)のミームコイン生成プラットフォーム「Pump Fun」を使ってトークンを発行している。
  • セレブが発行したトークンの初期購入者は大きな利益を得ており、短期間で数十万ドルの利益をもたらしたトークンもある。
  • トークン発行の容易さとその後もたらされる利益は、暗号資産コミュニティ内で批判と懸念を呼び起こし、業界にとって「トータルではマイナスとなる」と表明する人もいる。

暗号資産市場は再び、バブルの様相を見せているようだ。ニッチな世界のセレブたちが、即席ミームコインの作成ブームに乗っている。

アメリカのメディアパーソナリティであるケイトリン・ジェンナー(Caitlyn Jenner)やラッパーのイギー・アゼリア(Iggy Azalea)、トリッピー・レッド(Trippie Redd)、ダビド(Davido)らが相次いでトークンを発行している。彼らは、誰でも簡単に画像に関連づけたコインを発行できることでソラナ上で話題になったミームコイン作成プラットフォーム「Pump Fun」を利用している。

初期購入者に利益が集中

しかし、利益は幅広く行き渡ってはいない。ブロックチェーンデータによると、初期トレーダーたちが、セレブたちがXで宣伝する前に、これらのトークンのほとんどを素早く買い集め、場合によっては6桁(数十万ドル)の利益を得ている。

例えば、ソラナのブロックチェーンデータによると、あるアドレスは5月30日未明にラッパーのレッドのBANDOトークンが公開された直後に70%以上を購入した。その後、トークンは190のウォレットアドレスに分散されたとブロックチェーンアナリストのZachXBTはXで述べた。

オンチェーン企業Lookonchainによれば、ナイジェリアのレコードプロデューサー、ダビドのDAVIDOトークンは、初期コストわずか1000ドル強(約16万円、1ドル157円換算)から、11時間で約47万ドル相当のソラナ(SOL)による利益をもたらした。この分析は、オリジナルトークンのデプロイヤを追跡し、発行後に獲得したトークン数と、その後の数時間の売上をカウントして行われた。

Lookonchain:

ダビドは$DAVIDOというトークンを立ち上げ、わずか11時間で2783 SOL(47万3000ドル)の利益を上げた。20万7000ドルの含み益もある。

11時間前、彼はスタートアップ資金として7.5SOL(1275ドル相当)を受け取り、http://pump.fun で$DAVIDOを作成し、7SOL(1190ドル相当)を使って…

ZachXBTは、ダビドが過去にRapDoge、Echoke、Racksterliといった「複数の詐欺」トークンを立ち上げ、宣伝していたことを指摘した。DEXToolsのデータによると、これらのトークンの価格はオンラインプロモーション後の数日間で99%以上下落した。

「彼らの唯一の興味は、最小限の努力で利益を引き出すことだ」とZachXBTはXで述べ、「どこからともなく適当なミームコインが登場してくることは、業界にとって良いことではない。彼らが本物の関心を持っていることを証明するものでもない」と続けた。

ZachXBT:

あなたがスペースをリードすることで、彼らに信頼性を与える。 

どこからともなく適当なミームコインが登場してくることは、業界にとって良いことではない。彼らが本物の関心を持っていることを証明するものでもない

Ansem Angels OFマネジメントの代わりに、有名人やインフルエンサーの取引の流れを管理するエージェンシーを立ち上げるたらどうだろう?

ダビドのXアカウントは、5月31日朝時点で、これらの疑惑について明らかにすることを求めるコメントに返事をしていない。

イギー・アゼリアのMOTHERは、初期のトレーダーに200万ドルの利益をもたらしたと、データ追跡会社BubblemapsはXで述べた。

Bubblemapsによると、アゼリアがXにトークンの存在を投稿する前に、発行時の供給量の20%が少数のウォレットによって購入されていたという。同トークンは29日以来、70%下落している。

Bubblemaps:

MOTHERの巨大なインサイダー活動を発見。

インサイダーは、イギー・アゼリアが発表する前に、発売時の供給量の20%を購入し、すでに200万ドルの利益を上げた。

スレッド ↓

簡単に発行、簡単に収益

これらセレブが宣伝するトークンはすべて、ソラナのトークン生成プラットフォーム「Pump Fun」で発行された。発行されたトークンは、一定の取引高基準が満たされると、DEX(分散型取引所)のRaydiumに自動的に上場される。

DEXToolsのデータによると、これらのトークンのほとんどは発行後数時間で時価総額2500万ドルに達し、数千万ドルの取引高を記録した。しかし、いずれも高値から50%以上下落しており、盛り上がりの中で売り圧力がかかっていることを示している。

JENNERトークンはローンチ以来80%下落。最近発行されたその他の有名人トークンも同様に失敗に終わっている(DEXTools)

こうしたセレブ・トークンの最初のものは、5月27日に発行されたジェンナーのJENNERトークンで、過去にXアカウントが乗っ取られたこともあり、その正当性が疑問視され、市場に混乱を広めた。

ジェンナーのXアカウントはその後もトークンの宣伝を続けている。米CoinDeskは彼女の公式メディアに何度も問い合わせのメッセージを送っているが、彼女がトークンに関与しているかどうかの確認はまだ取れていない。

トークン発行自体は有害な行為ではないが、暗号資産市場参加者らは、このようにセレブたちが突然、ぞろぞろと簡単な環境を利用して市場に現れ、疑うことを知らないフォロワーから手っ取り早くお金を稼いでいるように見える様子を批判している。業界にとって「トータルではマイナス」と表現する人もいる。

Cold Blooded Shiller:

セレブの戯言について、私の考えをまとめておこう(長文になる)。

この4日間、偶然にも多くの有名人がミームコインをローンチした。

このことは、この業界にとってプラス(オンボーディング)なのかマイナス(パンプアンドダンプ)なのかという議論を引き起こした…

ミームコインは大変な仕事

一方、ミームコイン開発者の中には、ミームトークン作成は外から見ると楽しい活動に見えるかもしれないが、コミュニティの信頼を勝ち取ることができる長期的プロジェクトにするには、かなりの努力が必要となると語る人たちもいる。

「成功するミームコインには多くの努力が必要で、カルチャーやコミュニティなどが発展するには時間がかかる」とFlokiのコアチームメンバーBは語り、「我々がFlokiでやろうとしているように、手っ取り早い盛り上がりではなく、ファンダメンタルズに焦点を当てているのであれば、なおさらだ」と続けた。

「これらのセレブの多くは、パンプアンドダンプ(吊り上げと売り叩き)で簡単に金儲けしようと盛り上がりにつけ込み、フォロワーからできるだけ多くの流動性を引き出しているだけだ」とBは指摘した。

しかしBは、個人ブランドのミームトークンを発行し、それを正しく行う方法もあるとの見解を示し、次のように語った。

「セレブたちが暗号資産に参入し、エコシステムに参加することは、正しく行われれば間違いなく良いことだ。しかし、セレブたちが本当にトークンを発行したいのであれば、自分のブランドや製品に関連するソーシャルトークンを発行し、保有者に付加価値を提供することができる。現在のトレンドは、供給量の一部を自分自身に割り当て、その後すぐに疑うことを知らないフォロワーに売りつけるだけになっている」

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Anjo Clacino/Unsplash(CoinDeskが加工)
|原文:As Random Celebs Like Caitlyn Jenner Embrace Solana Meme Coins, Early Hoarders Fare Best