暗号資産ATMを政府建物に設置:米下院議員が提案
  • 米議会が同国における暗号資産規制のあり方を模索する中、テキサス州選出の議員が連邦政府に対し、政府の建物内に暗号資産ATMの設置を検討するよう求めている。
  • これは、ブロックチェーン技術を積極活用し、トランプ大統領の唱える方針に沿うことを目的としている。
  • テキサス州選出の共和党議員ランス・グッデン氏は、連邦政府の一般調達局長に書簡を送り、この提案の検討を求めた。

テキサス州選出の議員が、トランプ大統領が推進する暗号資産(仮想通貨)推進の姿勢を強化するため、連邦政府の建物に暗号資産ATMを設置することを検討するよう連邦政府に求めている。

CoinDeskが確認した現地時間5月1日の書簡によると、ランス・グッデン(Lance Gooden)議員は、政府の建物や不動産を管理する機関である一般調達局の局長に対し、これらの施設に暗号資産ATMを設置することを検討するよう要請した。「政府が安全かつ責任ある方法でイノベーションを推進していることを国民に示すシグナル」とするためだという。

「連邦政府機関の建物内における暗号資産ATMへのアクセス拡大は、米国を暗号資産とブロックチェーン技術の世界的リーダーにするというトランプ大統領のビジョンと合致する」と同議員は述べた。

同局のウェブサイトによると、現在、複数の施設には伝統的なATMが設置されている。

今回の書簡では、同局のスティーブン・エヒキアン(Stephen Ehikian)長官代行に対し、「堅牢な本人確認措置と取引手数料の透明性に重きを置いた、暗号資産ATMの設置と運用に関する明確なガイドライン」を含む形で、この提案の実現可能性を検討するよう要請が行われた。

一方では、暗号資産ATMは詐欺に利用されているともされており、イリノイ州の民主党上院議員ディック・ダービン(Dick Durbin)氏が推進する、大口取引に制限を設ける暗号資産ATM詐欺防止法案にも影響を与えると見られている。また、ニュージャージー州は暗号資産ATM運営者に、潜在的な詐欺について利用者に警告し、対面での顧客サービスを提供することを求める新たな法案を検討している。

暗号資産ATM運営会社の一つであるBitcoin Depotは先月、ビットコイン(BTC)の取引量が最近の価格上昇局面で増加したにもかかわらず、暗号資産ATMの取引と収益は減少していると報告した。

グッデン氏は現在議会で審議中の暗号資産関連法案に直接関与しているわけではないが、啓蒙団体スタンドウィズクリプト(Stand With Crypto)は、同氏の業界への友好度について「A」評価を与えている。2019年の下院議員選で当選したグッデン氏は、マネージド・ステーブルコインは米証券取引委員会(SEC)によって規制されるべきだとする法案の共同執筆者となったが、最近では、米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)に反対する法案の共同提案者となり、暗号資産業界と歩調を合わせている。

|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:U.S. Congressman Pitches Crypto ATMs for Federal Government Buildings